求職者と雇用主のマッチング業務の多くが、人工知能(AI)によって近く自動化される可能性がある。人材紹介・派遣会社を利用する必要性は低減しそうだ。

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AIの進歩により、雇用主はロバート・ハーフ、マンパワーグループ、ランドスタッドといった外部人材紹介会社に頼らずとも、履歴書のスクリーニング、応募者のランク付け、一次面接を行えるようになっている。技術の進歩と導入コストの低下に伴い、採用プロセスの一部を社内で実施できる企業も増えている。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のシニアアナリスト、スチュワート・ゴードン氏は、契約のキャンセルや価格引き下げ要求により、人材紹介会社の利益率と収益への圧力はさらに高まるとの見通しを示した。さらに、企業は競争が激化する中で、最終的には人材紹介会社を切ることで、コストを管理するとみている。

一方、業界企業の幹部は、AIが採用担当者の仕事を完全に代替するとの考えに反論している。ロバート・ハーフのキース・ワデル最高経営責任者(CEO)は、AIツールによって履歴書の真偽の判別が難しくなり、リクルーターの判断力や対人能力に対する需要が高まっていると主張する。

収益性向上

業界には、AIの利点をより強調する動きもある。ヘイズやランドスタッドなどは、AIを使うことで、より複雑で精密かつ迅速な人材と求人のマッチングが可能だと見ている。

この見方は、急成長中のAI駆動型マッチングプラットフォームのアプローチに似ている。雇用主が従来のリクルーターを使わず、採用活動ができる取り組みだ。

アップワークは、AIを活用してフリーランサーと雇用主をマッチングさせている。同社は2024年末時点で約600人の従業員と約2220名の契約社員を抱え、同年の総利益は5億9500万ドルだった。これに対し、ロバート・ハーフの従業員数は約1万4700人で、総利益は22億5000万ドルだ。BIのゴードン氏は、アップワークのモデルが、従業員1人あたりの収益性を大幅に高めると指摘する。

 

アナリストらは、人材紹介会社はスタートアップ企業だけでなく、AIを活用した採用プラットフォームを構築・改善するリソースを持つ大手テック企業との競争にもさらされていると警告している。リンクトインを所有するマイクロソフトがその一例だ。

ジェフリーズのアナリスト、ステファニー・ムーア氏によると、ロバート・ハーフは、オンライン採用プラットフォームによるデジタル面での変革と、生産性向上ソフトウエアの導入により、複雑度の低いバックオフィス業務の需要が減少するという、AIによる二重の打撃に直面している。

ムーア氏によると、AIはあらゆる人材紹介会社のマッチング精度向上に役立つが、小規模のリクルーターがAI導入をより積極的に進めている可能性がある。AI利用のコストが比較的低いからだ。また、人材紹介会社がAIで時間とコストを削減する中で、顧客も手数料引き下げを要求すると予想されるという。

BNPパリバ・エクサネのアナリスト、アンドルー・グロブラー氏は昨年12月、アデコ・グループ、ページグループ、ロバート・ハーフの格付けを引き下げた。

原題:Your Next Job Offer May Come Via AI, Making Recruiters Redundant(抜粋)

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