(ブルームバーグ):アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンドで、運用資産が3300億ドル(約50兆円)に上るムバダラ・インベストメントやサウジアラビアの富豪一族、SBIインベストメントがエジプトの電子商取引(EC)スタートアップ、ブレッドファストに出資した。同社は他のアフリカ諸国への事業拡大を検討している。
パンから決済サービスまで提供するブレッドファストは、5000万ドル規模の「プレシリーズC」ラウンドを完了。共同創業者のモスタファ・アミン最高経営責任者(CEO)はインタビューで、2026年前半により大規模な資金調達ラウンドを始める計画だと明らかにした。
アミン氏は、今回のラウンドにはムバダラやサウジのオラヤン一族の投資会社オラヤン・ファイナンシング、ベンチャーキャピタルのYコンビネーター、世界銀行の国際金融公社(IFC)などが参加したと説明。企業価値は非開示としたが、サウジを拠点とするテクノロジー専門メディア「Menabytes」は、昨年8月の資金調達時点で約4億ドルと報じていた。
「今回のラウンドを完了し、シリーズCに向けてグロース投資家との初期段階の協議を開始している」とアミン氏は説明。「調達資金はインフラの拡充や事業部門の成長に充てる。また、他の北・西アフリカ諸国での事業開始も検討している」と述べた。
若者多いエジプト
カイロに本社を置くブレッドファストは9年前、パンの配達から事業を開始。その後、食料品や食事、医薬品、プリペイドカードなどへとサービスを拡大してきた。自社ブランド商品の製造や配送、さらには自社運営のコーヒーショップまで、サプライチェーンの大部分を保有している。
エジプトでは若者が多く、テクノロジーにも精通している。スピードや利便性、シームレスなモバイルサービスを重視し、ブレッドファストの成長を後押ししてきた。エジプトと同様、若者が中心で、急速に都市化が進むアフリカ諸国でも、食料品から娯楽までデジタルプラットフォームへの移行が進んでおり、同社のビジネスモデルは通用する可能性がある。
自社ブランド商品は食料品売上高の約40%を占める。アミンCEOは、今後3年でエジプトの1000億ドル規模の食料品市場で最大3%を獲得する計画だと述べた。垂直統合型の事業構造により、顧客サービスの向上とともに、為替やインフレの変動から利益率を守ることができると付け加えた。
「最終的な目標は、数年以内にグローバルIPOを目指すことだ」とアミン氏は語った。
原題:Mubadala, Saudi Billionaire Family Invest in Egypt’s Breadfast(抜粋)
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