(ブルームバーグ):16日の日本市場で株式は続落。企業決算が一巡し、衆院選後の株高による過熱感も残る中、利益確定売りが優勢だった。日本の国内総生産(GDP)が弱かったことを受け、円は対ドルで153円台前半に反落。債券は中期債が上昇した一方、超長期債は下落した。
株式は銀行や商社、自動車などで売りが膨らんだ。半面、情報・通信やエンタメ関連などは上げた。昨年10-12月期の実質GDP速報値は前期比年率0.2%増と2期ぶりのプラス成長となったが、市場予想(1.6%増)を下回り、相場の重しになった面もある。
りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは、日本株は大型企業の決算が一段落したほか、前週までに相場が大きく上昇したこともあり「依然として利益確定売りが優勢な地合いだ」と指摘。銀行や建設、商社など特に決算を受けて上げていたセクターへの売り圧力が強いと述べた。
株式
株式は大型株への売りが相場を押し下げた。岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは、銀行株は国内金利が少し落ち着いてきたことも重しで、建設などの内需株は弱めのGDPも売り材料になっていると述べた。
もっとも、東海東京インテリジェンス・ラボの澤田遼太郎シニアアナリストは「日本株の先高観はしっかりあり、相場が大崩れする動きにはなりにくい」と話す。きょうも大型株が弱い一方で小型株は堅調な値動きになっており、TOPIX構成銘柄の半分が上昇した。
また、米国で1月の消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回り、利下げ観測が強まったことは相場を下支えし、日経平均は午後にプラス圏に戻す場面もあった。
債券
債券相場は先物や中期債が上昇した一方、超長期債が売られた。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「GDPが予想より弱く、日本銀行の利上げが後ずれするとの見方から中期債が買われている」と指摘。あすの5年債入札も「強めの結果になる」と予想する。超長期債の売りについては「改めて消費減税実現のリスクが意識されている」と語った。
一方、りそなアセットマネジメントの藤原貴志チーフファンドマネジャーは5年債入札について、4月の利上げ観測は根強く「銀行貸し出しが伸び、預貸ギャップが縮小する中では、中期債への投資家需要は少ない」との見方を示した。
スワップ市場が織り込む4月利上げの確率は7割弱。先週末は7割を超えていた。
高市早苗首相は16日午後5時に日銀の植田和男総裁と会談する。両者の会談は昨年11月18日以来2回目。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「前回は日銀の利上げ方針に高市首相が異を唱えず、今回も同じような結果になれば大きな材料にならない」とみる。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
円相場は対ドルで153円台前半に反落。GDPの下振れを受けて円売り・ドル買いが優勢だった。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、仲値前に輸入企業による実需のドル買いが入ったほか、「GDPの弱さが円売りに寄与した可能性がある」と話した。
一方、あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、GDPについて「日銀の利上げ方針への影響はさほど大きくはないだろう」と述べた。
みずほ銀行国際為替部為替スポットチームの南英明ディレクターは、高市トレードに決着がつき、円売りポジションの巻き戻しが起きていたが、構造的な円安が払しょくされたわけではないと指摘。消費減税の議論が浮上すれば、円売りにつながる局面もあり得るとみている。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:横山桃花、我妻綾.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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