(ブルームバーグ):アクティビスト(物言う株主)として知られる米投資ファンド、エリオット・インベストメント・マネジメントがトヨタ自動車グループによる豊田自動織機の株式公開買い付け(TOB)阻止に向け圧力を強める中、系列部品メーカー各社の結束は揺らいでいないようだ。
ジェイテクトと愛知製鋼は3日、TOBに保有する全ての豊田織機株を応募することを決議したとそれぞれ発表した。その他のグループ企業からも応募する方針に変更はないとの表明が相次いだほか、豊田織機もTOB価格は自社の本源的価値を反映していると改めて表明した。
ジェイテクトの神谷和幸最高財務責任者(CFO)は同日の決算会見で、トヨタグループ全体の価値・競争力向上に資すると判断したことに加え、豊田織機がTOBに賛同していることも踏まえて応募を決めたと説明。愛知製鋼の村上賢記執行職は、モビリティの変革にグループとして対応していくために重要なステップと考え、応募を決めたと述べた。
当初からTOBに応募する意向を明らかにしていたデンソー、アイシン、豊田通商の3社に加え、トヨタ側の1月の発表では新たにグループ会社のほか興和などの事業会社、さらにあいおいニッセイ同和損害保険、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険の3社の損保会社が保有するすべての豊田織機株(計4.14%)について応募する意向であることが明らかにされた。
トヨタ紡織の鈴木浩之最高財務責任者は、応募の理由について、トヨタグループ全体での企業価値向上につながると考えていることに加え、豊田織機株は同社が進めていた政策保有株の削減対象となっていたところ「今回ちょうどいいタイミングでお声掛けがあった」と説明した。また、TOBへの応募には手数料も必要ないほか、売却価格を固められるため株価変動リスクを排除できるという利点もあると述べた。アイシンと豊田通商の幹部も決算会見で応募意向に変更はないと述べた。
デンソーなどトヨタ系列の主要8社は慣例として決算発表を同じ日に時刻をずらして順番に実施している。
豊田織機のTOBを巡っては、昨年6月に発表された株式買い付け価格が直前の株価を下回っていたことから株主の不満が噴出。トヨタグループは1月になってTOB価格を引き上げたものの、エリオットは豊田織機の企業価値が依然過小評価されているとして圧力を強める一方、トヨタ陣営はさらに価格変更する意向はないと表明し、せめぎ合いが続いている。
豊田織機の株価は引き上げ後のTOB価格を上回った水準で推移しており、TOBが成立するかは不透明な状況だ。3日の取引では一時前日比2.7%安の1万9265円を付けた。
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