フジ・メディア・ホールディングスは3日、7100万株を上限に自己株を取得すると発表した。発行済み株式総数(自己株式を除く)に対する割合は34.37%にあたり、取得総額の上限は2350億円。これを通じて株主の野村絢氏や関連会社のレノなどと保有株の売却で合意したという。

発表資料によると、同取引は東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を通じて実施され、終了後に結果を公表するという。

フジHDはまた、物言う株主(アクティビスト)から分離を要求されていた不動産事業について外部資本導入の検討を始めることも明らかにした。これまで主力のメディアビジネスの成長には、不動産事業で稼いだ収益の投資が欠かせないと主張していたが、姿勢を一転させたかたちだ。

野村氏らも大量買い付け行為の提案を取り下げるとしており、対立は収束に向かうとみられる。

同社はまた、今期(2026年3月期)末の配当予想を増額。これにより年間配当は1株あたり125円と従来予想から75円増額される見通しだ。来期から2年間は200円にするとしている。

フジ・メディアは昨年12月、野村氏から大規模買い付け行為等趣旨説明書を受領したと発表。野村氏は、不動産事業の再編などの要求が通らなければ、関連会社のレノなどと最大33.3%まで株式を買い増す意向があると明らかにしていた。

その際、不動産事業の完全売却やスピンオフ、または株主資本配当率(DOE)4%を下限とする株主還元方針を公表した場合には買い増しを行わないなどとしていた。

フジHDを巡っては、元タレントの中居正広氏が起こした女性への性暴力問題をきっかけに、アクティビストなどからの外圧が高まっていた。今回の自社株買いや増配の背景にはメディア事業での着実な広告収入の回復など業績の改善が進んでいることを挙げた。

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