(ブルームバーグ):財務省が3日に実施した10年国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が過去12カ月平均(3.24倍)を下回った。
応札倍率は3.02倍(前回3.3倍)だった。最低落札価格は98円74銭(市場予想は98円75銭)。小さいと入札好調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は5銭(前回5銭)だった。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは電話取材で、10年利付国債入札は「やや弱めな結果だったが、警戒されたほど悪くなかった」と指摘した。
入札結果を受けて債券市場ではやや売りが優勢だ。長期国債先物の中心限月3月物はやや下げ幅を拡大、新発10年債利回りは2.25%と入札結果判明前に上昇した水準で推移している。
明治安田アセットマネジメント債券運用部の大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、最低落札価格は予想をやや下回り、応札倍率が低下して弱めだったものの、選挙前ということを踏まえると総じて無難な結果となったと指摘した。
与野党が消費税減税を衆院選の公約に掲げたことで、財政悪化への警戒感が強まり、新発10年債利回りは1月20日に2.38%と1999年以来の高水準を更新した。その後やや落ち着きを取り戻していたが、8日の投開票日が迫る中、投資家は慎重姿勢を強めた。
日本銀行の利上げ継続観測も入札の重しとなった。日銀が2日公表した1月の金融政策決定会合の主な意見によると、為替の円安傾向が続いていることなどを踏まえ、複数の政策委員が金融政策の対応が遅れるリスクに言及した。
スワップ市場が織り込む4月の日銀決定会合までに追加利上げが実施される確率は7割強に上昇。2年先の政策金利予想は1.7%まで上昇し、市場が見込む利上げ到達点(ターミナルレート)も水準を切り上げている。
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、ターミナルレートが1.5%以上になるとの見方が支配的な中、「長期金利に先安感は生じづらい」と述べた。
また、自民党が単独過半数を確保するかどうかにかかわらず、積極財政を掲げる政権が続く以上は財政拡張懸念がくすぶると指摘。「衆院選後に株高・円安の流れの中で金利が上昇する可能性があることを踏まえて、入札は慎重スタンスとしたい」と話していた。
(3段落に市場関係者コメントなどを追加して更新します)
--取材協力:日高正裕.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.