(ブルームバーグ):日本商工会議所の小林健会頭(三菱商事・相談役)は、日本の経済構造上、最も重要な要素は為替との認識を示した。「通貨は国家の主権」とした上で、通貨当局には為替介入など政策を総動員して円安の是正に当たるよう求めた。
ブルームバーグのインタビューに30日、応じた。小林会頭は日本経済に関し、「輸出入のボリュームが経済成長の原動力になる」と指摘。国際貿易の中で日本が成り立っていくためには、「通貨をどう守るかということを一生懸命やってもらいたいということが基本」と強調した。
足元の為替レートについては、「明らかに円安」との認識を示した。通貨当局による市場へのけん制発言に加え、レートチェックや為替介入などを駆使した対応が必要だという。企業に対する調査結果などを踏まえ、望ましいドル・円レートは1ドル=130円前後と語った。
円安は輸入物価の上昇を通じて国内のインフレを助長する側面がある。原材料価格の高騰で企業収益が圧迫されれば、政府が目指す「賃上げを起点とした好循環」に水を差しかねない。国内総生産(GDP)拡大には賃金上昇を通じた個人消費の活性化が欠かせず、過度な円安の是正は喫緊の課題と言える。
中小企業を中心とする日本商工会議所の会員数は約126万事業者。小林会頭によれば、輸出主導型の中小企業は全体のわずか3%に過ぎず、多くはサプライチェーン(供給網)の中で輸入側として円安の影響を受けやすい。
1月下旬には3度にわたって円相場が急騰する場面があった。市場では、日米の通貨当局が参考となる為替レートの提示を求めるレートチェックを実施したとの観測が浮上。詳細は現時点で明らかになっていないが、小林会頭は政府・日本銀行による対応を評価しつつ、「市場の信用を得られるように政策を遂行していってもらいたい」と述べた。
衆院選後の財政拡大懸念などを背景に下げ基調が続いていた円相場は、23日に159円台まで下落した後急反発。27日には3カ月ぶりとなる152円台前半まで円高が進んだ。30日午後5時53分時点では153円80銭台で取引されている。
日銀による政策金利の引き上げを巡っては、「緩和の中の調整」とみている。利上げは、中小企業の資金繰りに与える影響がある一方、円安の是正が進むことなどから一定程度前向きに捉える声も企業から出ていると明らかにした。
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