「超短期決戦」減税の財源は? 本当に主張はブレない?

藤森祥平 キャスター:
冬の解散総選挙、「超短期決戦」といえる短い期間の選挙が始まります。

19日の会見で「なぜ今なのか」と自身で発言、「高市早苗が総理大臣で良いのか、国民の皆様に決めていただく」と説明した高市総理ですが、この解散の大義、タイミングをどのようにご覧になりましたか。

星浩 スペシャルコメンテーター:
もし負けたら「進退をかける」と発言されていますが、もともと衆議院の選挙というのは政権選択選挙ですから、与党が負ければ総理大臣が退陣するというのは、ある意味で当然のこと。その当然のことを19日、高市総理は勢いをつけて発言したということです。

ただ、なぜ今なのか。予算成立が遅れて、暫定予算を出さなければいけないのに、なぜ強引にこの局面で解散するのか。そこに関する説明は今ひとつ理解できなかったので、支持率が高いうちに解散したい、ということだと思いますね。

小川彩佳 キャスター:
外交日程が詰まっていたということも理由に挙げていましたが?

星浩 スペシャルコメンテーター:
それ以前に、もし通常国会が始まると予算委員会を中心に注目されますから、例の台湾有事発言など、様々なスキャンダルを追及されることを心配したのだと思います。

藤森祥平 キャスター:
JNNの最新の世論調査によりますと、内閣支持率が78.1%とさらに上昇しています。「高市早苗が総理大臣で良いのか」という大義も含め、支持率に対する自信の表れが解散表明に表れているのかなという気がします。

星浩 スペシャルコメンテーター:
自分自身を前面に出して、それで選挙を戦うんだということですが、一方で自民党そのものの支持率はあまり高くない。実際、高市総理の名前を書くことができる選挙区は1個しかないですから、他の選挙区の有権者が自民党に投票するのか、果たしてそれで勝てるのかどうか、それはまた別問題だと思います。

藤森祥平 キャスター:
会見の発言のうち、注目されたのは消費税についての主張です。

高市総理は「食料品については、2年間に限り消費税の対象としない。設置される国民会議で、財源やスケジュールなど検討を加速する」と話し、これを「私自身の悲願」とも表現しました。

これは、Xにおける「消費税」に関する投稿の割合を示したグラフです。中道改革連合の会見を機に、週末にかけて急激に上昇しています。

小川彩佳 キャスター:
ぐっと注目度が増しているわけですが、高市総理は「悲願」だと話し、一方で総理自身がこれまで慎重な姿勢を示してきた「消費税」がなぜ突然、選挙の重要な争点に浮上しているのでしょうか。

星浩 スペシャルコメンテーター:
私は、立憲民主党の安住幹事長の仕掛けだと見ています。

立憲民主党と公明党が中道改革連合を結成し、“恒久”に食料品の消費税ゼロという基本政策を打ち出したばかりに、高市総理はおそらく16日ごろから、それに対抗する策を打たなければいけないと動き出しました。一方で、自民党と日本維新の会の連立合意という縛りがありますから、その範囲で検討を加速するということだと思います。

小川彩佳 キャスター:
急ごしらえという見方もありますが、実際に実現するのでしょうか。高市総理にはどれくらい実現させようという意思があるのでしょうか。

星浩 スペシャルコメンテーター:
これからの選挙戦での論戦にも関わってくると思いますが、少なくとも4月からの2026年度予算案には消費税をゼロにするという項目は入っていませんし、食料品を含めた消費税収が入ってくることを想定した予算ですので、2026年度の実行は不可能です。

早くても2027年度からですが、永田町用語で「検討を加速する」というのはニュートラルで、やれるかわからないというのが本音だと思います。

小川彩佳 キャスター:
ただ期待が高まってしまいますし、かつて減税に言及した後、方針がぶれて政権を失ってしまった総理もいます。

星浩 スペシャルコメンテーター:
かつての総理大臣・橋本龍太郎氏が選挙中、税金の問題で方針がぶれて、急速に求心力を失ったことがあります。今回も、高市総理の言い回しはとても中途半端ですから、これを選挙戦でどこまで野党側が追い詰めてくるか。それは注目すべき点だと思います。

藤森祥平 キャスター:
そして消費税の減税で、実際に国の税収はどれぐらい減ってしまうのか。

食料品の場合、仮に税率を1%減らした場合、税収は約6000億円が減少するという試算があります。現在の8%を全て減税となると、税収は約4.8兆円の減少に及びます。これは国の年間の教育予算に匹敵する規模感です。

ですから、財源をどうカバーするかという議論を併せることが必須です。