(ブルームバーグ):日本政府は、イーロン・マスク氏率いるソーシャルメディアX(旧ツイッター)に対し、生成人工知能(AI)「Grok(グロック)」で無断加工された画像が拡散している問題を巡り、速やかな改善を求めている。小野田紀美AI戦略担当相が16日の閣議後会見で、書面による迅速な報告を要請していると明らかにした。
Xに搭載されたAIチャットボットを通じ、ユーザーの指示に応じて未成年者を含む性的画像を大量に生成するツールを提供したとして世界各国から問題視されている。
小野田AI戦略担当相は、状況が改善しない場合は「AI法に基づく指導を含め、是正に向けてどのような対応をしていくべきか、法制上の措置も踏まえたあらゆる可能性について、関係省庁の協力も得ながら早急に検討を進めたい」と話した。著作権やプライバシー権の問題も指摘し、「ユーザーも適切なリテラシーを持って行動しなければ加害者になり得る」と注意を促した。
一方、Xは15日(米国時間)、ビキニなど露出度の高い服装をした実在人物の画像がGrokアカウントで編集されるのを防ぐ技術的対策を導入したと発表した。制限は有料会員を含むすべてのユーザーに適用される。画像生成・編集機能は当初、Xのユーザーに対し1日の利用制限付きで無料提供されており、9日時点で有料登録が必要になると通知していた。
これに対し小野田AI担当相は、正式な連絡は受けておらず、対応の具体的な内容について速やかに報告を求めていると説明。現時点でも引き続き不適切な画像の出力が確認でき、「一層の改善が求められる可能性はある」と述べた。
第三者の分析では、5日から6日の24時間で、Xでは1時間あたり6700件の性的に加工されたAI生成画像が投稿された。他の主要5サイトでの平均79件に比べ、突出した水準となっている。
各国政府も対応を強化している。英国は12日、本人の同意なく性的な画像を生成・拡散する行為を禁止する法律を厳格に適用する方針を明らかにした。フランス政府も2日、同意のない「明らかに違法な」性的コンテンツがX上で生成されたとGrokを強く批判。違法コンテンツの拡散リスク軽減を主要プラットフォームに義務付ける欧州連合(EU)のデジタルサービス法(DSA)違反の恐れがあると指摘した。
インド政府は2日、Grokが「ヌード、性的描写、露骨な性的内容、他の違法コンテンツ」を生成しないよう包括的な見直しを求める書簡をXに送付。マレーシアの通信マルチメディア委員会も3日、こうした有害コンテンツの作成・送信は同国法に違反するとし、違法行為への関与が疑われるXのユーザーを調査するとした。
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