米国時間15日の取引で原油先物が大きく下げ、昨年10月以来最大の下落率を記録した。イランが反政府デモ参加者の処刑はしないと約束し、同国への攻撃をトランプ米大統領が見送る可能性を示唆したことが相場に影響した。

ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は5%を超える下げとなり、1バレル=59ドルを一時下回った。WTI先物は過去1週間で10%上昇していた。

トランプ氏は14日、記者団に対し、「イランでの殺害が止まりつつある」との報告を受けたと明らかにし、体制側の弾圧が続くようなら「極めて遺憾だ」と付け加えた。

この発言で米国による即時の軍事行動や、イランの原油生産および主要輸送ルートに混乱が生じる可能性は後退したと受け止められた。

イラン司法当局は、すぐにも処刑の危機にあると活動家らが訴えていたエルファン・ソルタニ氏(26)が死刑となる可能性を否定。一方で米財務省は、最高指導者ハメネイ師の顧問であるラリジャニ前国会議長および、影の銀行ネットワークに関与しているとされる個人や団体に制裁を科すと発表し、軍事作戦が近く行われることはないとの見方を強めた。

PVMのアナリスト、ジョン・エバンス氏は 「最近の原油価格上昇の大部分がイラン情勢を理由としていたが、一夜にして不安が大きく後退した。リスクプレミアムのはしごは失われた」と指摘した。

動画:イラン情勢について話すトランプ米大統領

海運大手APモラー・マースクが今月中にスエズ運河の定期航行を再開する予定であることも、地政学的なリスクの緩和を示す。同地域ではイエメンの親イラン武装組織フーシ派が2023年に付近を航行する船舶に対して攻撃を始め、船主は南アフリカ回りの航路を強いられていた。

米東部時間15日の取引で、WTI先物2月限は一時5.1%安の1バレル=58.88ドル。ブレント原油3月限は4.9%安の63.27ドルまで下落した。

原題:Oil Tumbles After Trump Signals US Response to Iran Is On Hold(抜粋)

--取材協力:Sarah Chen.

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