米国債の現物と先物の価格差から利益を狙うベーシス取引は、約1兆5000億ドル(約239兆円)規模に膨らんでおり、2020年に見られたような市場混乱の再燃を避けるため、綿密に監視する必要がある。モルガン・スタンレーのストラテジストが指摘した。

同社の推計によると、ヘッジファンドが多用するこの戦略の規模は、19年のピークに比べ75%拡大している。ベーシス取引の想定取引額の増加は、近年の米国債発行額の伸びを上回っている。

エリ・カーター、ショーン・ゾウ両氏を含むストラテジストは13日のリポートで、現在の水準は「前例のないものではない」が、資金調達が逼迫(ひっぱく)している局面や、市場が混乱する局面では特に注視が必要だと記した。

この取引の性質上、ヘッジファンドがポジションを迅速に解消する必要に迫られた場合、債券ディーラーが突発的に発生する膨大な取引量を処理できない可能性がある。

モルガン・スタンレーによると、リスクは5年物米国債先物に最も集中しており、次いで超長期物と10年物の契約が多い。近年はイールドカーブの中期ゾーンでのエクスポージャーが拡大しているという。

ベーシス取引は20年、市場のボラティリティーを増幅させた。現物債価格が先物を下回り、ベーシス取引が本来狙う条件と逆の状況が発生。ヘッジファンドに多額の損失をもたらした。

その結果、米連邦準備制度理事会(FRB)は市場の円滑な機能を維持するため数兆ドル規模の国債を購入し、レポ取引として知られる短期資金のための緊急資金供給も実施した。

当時のベーシス取引の規模は総額約5000億ドルで、現在の3分の1にすぎなかった。

原題:Basis Trade Has Ballooned to $1.5 Trillion, Morgan Stanley Says(抜粋)

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