(ブルームバーグ):高市早苗首相は13日、地元の奈良県内で韓国の李在明大統領と首脳会談を開始した。少人数での会合を行った後、全体会合に臨む。日韓首脳間のシャトル外交の一環。会談後、共同記者発表に臨み、夕食会に出席する。
今回の首脳会談は台湾有事を巡る高市首相の国会答弁を発端に、日中関係が冷え込む中で行われた。米国との関係を重視していた尹錫悦前大統領とは異なり、李大統領は外交バランスを重視する姿勢を示しており、日韓関係の重要性が増す中で首脳間の個人的な信頼関係の構築が狙いとみられる。
両首脳による対面での協議は、昨年10月の会談、11月の懇談に次いで3回目となる。昨年10月に韓国・慶州で行った初の首脳会談では積極的なシャトル外交の実施で一致。次回は李氏が奈良県を訪問したい旨を高市氏に伝達し、高市首相も応じる意向を示していた。
高市首相は12日、自身のX(旧ツイッター)に、「1300年以上の歴史を誇る古都奈良で、長きにわたるわが国と朝鮮半島の文化的交流も振り返りつつ」、シャトル外交の着実な実施を通じて「未来志向の両国関係の歩みをさらに進めたい」と投稿していた。
李大統領は12日、NHKとのインタビューで、日中関係について「深く介入・関与する問題ではない」とした上で、北東アジアの平和と安定という面では「対立・対決は望ましくないので、中国と日本が対話を通じて円満に解決するのを待つしかない」との見方を示した。
昨年11月の台湾有事を巡る国会答弁以降、中国は対日圧力を強めており、6日には中国が軍事利用が可能なデュアルユース(軍民両用)物資の輸出を全面的に禁止すると発表。レアアース規制を強化する可能性もあるとされている。
李大統領の訪日に先立ち韓国の魏聖洛国家安保室長は、韓国も中国による輸出管理強化措置の影響を免れない可能性があるとして、首脳会談で話題に上る可能性があると述べていた。
李大統領は中国との外交上のバランスを図る姿勢もうかがわせている。今月5日には現職の韓国大統領として約6年ぶりに訪中し、習近平国家主席と会談。中国国営中央テレビ(CCTV)のインタビューで中国との関係は韓国にとって「極めて重要だ」と述べ、台湾問題を巡っては「一つの中国」原則を堅持する立場を改めて示していた。
一方で、7日には訪問先の上海で「われわれにとって、日本との関係は中国との関係と同じくらい重要だ」と記者団に語った。
ブルームバーグ・エコノミクスのヒョソン・クォン氏らは、李大統領の訪中直後に行われた今回の日韓首脳会談は、李大統領が「経済と地政学上のトレードオフをいかに均衡させるかを試す場となる」と指摘。「親中でも反中でもない実用主義を、日韓関係の具体的な進展へと結び付けることが課題だ」と述べた。
共同通信は、高市首相が23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散する意向を自民党幹部に伝えたと関係者が13日明らかにしたと報じた。今週は李大統領のほか、イタリアのメロ-二首相が15日から17日の日程で来日し、高市首相と会談する予定。市場関係者の間では、首相の解散の正式表明は日伊首脳会談後との見方が出ている。
--取材協力:Soo-Hyang Choi.
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