(ブルームバーグ):中国の生成人工知能(AI)スタートアップ、北京智譜華章科技と稀宇科技(ミニマックス)が今週、香港市場に相次ぎ上場する。米OpenAIの対抗馬と目される両社の上場は、ChatGPT登場後のAIブームを経て、投資家の意欲を推し量る試金石となる。
智譜は8日、ミニマックスは9日に取引が開始される。両社はOpenAIやアンソロピックなどに比べ、資本や人員、半導体の規模で「無駄のない」中国流アプローチを採用しているが、成り立ちや背景は大きく異なっている。
北京拠点の智譜は清華大学の教授らによって2019年に設立され、主に国内機関から支援を受ける。一方、上海拠点のミニマックスは、国内外で展開する消費者向けチャットボットでDeepSeekやOpenAIを凌駕することを目指しており、アリババ・グループやアブダビの政府系ファンドが出資している。
また、ミニマックスは2億1000万人のアプリ利用者を抱え、定額課金や広告を収益源とするシリコンバレー型経営を敷く。一方、智譜は8000社以上の法人顧客を抱えている。
シンガポールのクレイ・グループで株式部門を統括するアーディル・イブラヒム氏は「一連の上場は、中国が国産の半導体およびAIサプライチェーンへの投資を加速させる中、政府主導による資本サイクルを反映している」と指摘。「最近の画像処理半導体(GPU)やAI関連企業の上場で株価が急騰していることからも、投資家の関心は明らかだ」と話した。
2024年の売上高は智譜が3億1240万元(約70億円)、ミニマックスが3050万ドル(約48億円)にとどまる。OpenAIやアンソロピックとは大きな開きがあるが、両社の上場前評価額はともに約40億ドルと控えめだ。

両社とも、目先の収益性よりも規模を優先し、自社技術の世界的な普及を目指している。しかし、米国と同様、中国でも収益化への明確な道筋がないままAIインフラに過剰投資することへの懸念がある。
両社の上場は中国半導体メーカーの上場ラッシュに続くもので、資金調達はともに数億ドル規模。12月には中国のAI半導体大手、摩爾線程智能科技が上海に上場し、初日の終値は425%高となった。同じく12月に上場した「中国のエヌビディア」と称されるAI半導体メーカー、沐曦集成電路(メタX)は初日、693%上昇で取引を終了した。
原題:OpenAI Challengers Test Appetite for Chinese AI With Twin Debuts(抜粋)
--取材協力:Sangmi Cha.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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