(ブルームバーグ):キャシー・ウッド氏の「アーク・ブロックチェーン&フィンテック・イノベーションETF(上場投資信託)」(ARKF)が2025年に29%のリターンを達成し、業界全体が低迷する中で逆風を乗り切った。「フィンテック」の定義を広げて銘柄を組み入れたことが奏功した。
昨年は人工知能(AI)関連のパランティア・テクノロジーズ(135%上昇)や、動画配信プラットフォームのロク(46%上昇)といった銘柄がパフォーマンスを下支えした。一方、フィンテックの中核である決済関連株は低迷。ビットコインは7%下落、暗号資産交換業者のコインベース・グローバルは9%下げた。
アーク・インベストメント・マネジメントのダン・ホワイト副ポートフォリオ・マネジャーは、「多様な投資対象を組み合わせ、ポートフォリオのバランスを取っている」と述べ、「ロクやパランティアは従来型のフィンテックに見えないが、エコシステムの中で重要な役割を果たしている」と説明した。
ARKFの好パフォーマンスは、特定分野にほぼ特化した銘柄に投資する手法から一歩引いて、その時々で機能している分野の銘柄を組み入れる運用へシフトしたことが奏功した。決済関連株や暗号資産から、AIとの連動が強いテクノロジー銘柄へと軸足を移した。
昨年は、このように投資方針を柔軟に広げたETFが好パフォーマンスだった半面、より決済関連や暗号資産に依存したETFが後れを取ったといえる。

決済関連株とAI連動株の明暗は、低マージンで競争が激しいフィンテック分野に対し、投資家の忍耐が薄れていることを浮き彫りにした。投資助言会社ルミダの創業者で最高経営責任者(CEO)のラム・アルワリア氏は「フィンテックは過当競争に陥っている。誰もが何でも屋になろうとし、それが利益とリターンの敵になっている」と語った。26年に業界が持ち直すとは見ていないという。
ウッド氏は、テスラなど破壊的イノベーションをもたらす企業への大胆な投資で知られる。新型コロナウイルスの流行期に注目を集め、アークの運用資産はピーク時に600億ドル(約9兆4400億円)を超えた。もっとも、ARKFの好パフォーマンスはあったものの、同氏の長期ビジョンが持続的な資金流入につながっているとは言い難い。通年の資金フローはおおむね横ばいだった。
原題:Cathie Wood’s Fintech ETF Defies 2025 Slump With AI Bet(抜粋)
--取材協力:Isabelle Lee.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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