(ブルームバーグ):トランプ米大統領は29日、自分のお気に入りの次期連邦準備制度理事会(FRB)議長候補がいるとしつつも、発表を急ぐつもりはないことを示唆した。一方で、パウエルFRB議長を解任する可能性がまだあるかもしれないとも話した。
トランプ氏はフロリダ州パームビーチにある邸宅「マールアラーゴ」でイスラエルのネタニヤフ首相と会談後の共同記者会見で、お気に入りの候補がいるかとの質問に対し、「いる。今もいる。変わっていない」と答えた上で、「適切な時期に彼( him)について発表する。時間は十分にある」と話した。
トランプ氏はさらに、パウエル氏は「辞任すべき」で、「解任したい」とも発言。「まだそうするかもしれない」と語った。トランプ氏は7月、パウエル氏を解任しようとするところにまで近づいたが、金融市場で否定的な反応が広がったことを受けて撤回した。
トランプ氏は有力視している次期議長候補の名前は明らかにせず、発表は「1月のいつか」の時期になるとした。

パウエル議長は来年5月に任期満了となる予定で、ベッセント財務長官が現在、次期議長候補の選考プロセスを主導している。
後任には、ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長が最有力候補とみられているが、トランプ氏はウォーシュ元FRB理事にも関心を示してきた。このほか、ウォラーFRB理事やボウマンFRB副議長(銀行監督担当)、ブラックロック幹部のリック・リーダー氏も最終候補に含まれている。
トランプ氏は、次期FRB議長候補の選考プロセスについて、時に矛盾することもある含みを持たせた発言を繰り返してきた。今月の早い時期には候補者を1人に絞り込んだと述べた一方で、その後は、複数の候補を検討しているとし、最終選考リストの数人の候補を称賛している。
トランプ氏は長年にわたり、自身の政権1期目に起用したパウエル議長を批判してきた。アフォーダビリティー(暮らし向き)を巡る有権者の不満の高まりを背景に、ホワイトハウスは対応策の一環として住宅ローン金利の引き下げを目指しており、トランプ氏は次期FRB議長には一段と積極的な利下げを望んでいることを示唆している。
パウエル議長率いる米金融当局は今月9、10両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で3会合連続となる0.25ポイントの利下げを決めた。ただ、当局が会合後に発表した最新の金利予測分布図(ドット・プロット)では、当局者が2026年に予想する利下げの回数は中央値で1回のみであることが示された。
トランプ氏は記者会見でまた、首都ワシントンにあるFRB本部で進行中の改修工事を巡り、パウエル氏を「重大な職務怠慢」を理由に提訴することも検討中だと語った。トランプ氏は工事費用が当初見積もりから大幅に拡大したことを問題視している。
パウエル氏の議長としての任期は来年5月に終了するが、FRB理事としての任期は28年まで残っている。同氏は議長任期終了時に理事ポストも退任するかどうかについて、これまで明言していない。留任した場合、トランプ氏はFRBに新たなメンバー1人を指名する機会を失うことになる。
原題:Trump Says He Still Might Fire Powell as Fed Chair Pick Looms、Trump’s Favorite Fed Chair Candidate ‘Hasn’t Changed’(抜粋)
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