シリア西部ラタキアで28日、抗議デモの参加者らが襲撃され、少なくとも3人が死亡し、60人が負傷した。内務省はこの事件について、失脚したアサド前政権の残党によるものだとしている。

地中海沿岸のこの地域には、アサド氏が属するイスラム教少数派のアラウィ派が多く住む。50年余り続いたアサド一族による支配体制がスンニ派主導の反体制派によって打倒され、シャラア暫定大統領が後継に就いてから1年がたつが、情勢は不安定なままだ。

英非政府組織(NGO)のシリア人権監視団(SOHR)によると、港湾都市ラタキアとタルトゥースで行われた連邦制導入を求める抗議デモ中に参加者が襲撃された。地中海に面した都市ジャブラでも同様の攻撃があったという。政府は連邦制を断固として拒否している。

内務省は、アサド前政権に関係する武装勢力が一部のデモに紛れて警察部隊に発砲したと説明。一見すると平和的だが実際には暴力を扇動することを目的とした抗議活動には参加しないよう国民に呼びかけた。ラタキアでは警察官1人が犠牲になったという。

国営シリア・アラブ通信(SANA)は医療関係者の話として、襲撃犯が実弾や刃物で治安部隊や民間人を攻撃したと報じた。秩序回復のため、ラタキアとタルトゥースに軍部隊が派遣された。

先週は、ホムスのアラウィ派地域でモスクに仕掛けられた爆発物が爆発し、8人が死亡、18人が負傷していた。

原題:Defiant Assad Loyalists Attack State Forces on Syrian Coast (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2025 Bloomberg L.P.