元欧州委員(域内市場担当)のティエリ・ブルトン氏は、ソーシャルメディアのプラットフォーム規制を目指す欧州連合(EU)の法制化に影響を与えようとする米国の試みに対し、EUは抵抗しなければならないと訴えた。同氏は先週、トランプ政権から制裁措置を受けた。

ブルトン氏は28日夜、フランスのテレビ局TF1とのインタビューで、強い反応を示していないEU側の姿勢について、「捕食者」に囲まれている中で「非常に弱い、あまりにも弱い」と批判した。

同氏が先週、米国から渡航禁止措置を受けてからテレビのインタビューで発言したのは初めて。

ブルトン氏は欧州委員に在任中、ソーシャルメディア上のコンテンツ管理のあり方を定めるデジタルサービス法(DSA)の執行を統括していた。

米政権は、ネット上のヘイトスピーチと闘うEUの試みが米テクノロジー企業を標的にした検閲だと非難し、ブルトン氏や複数の活動家に対してビザ(査証)制裁を科した。ブルトン氏は在任中、イーロン・マスク氏率いるX(旧ツイッター)やメタ・プラットフォームズとたびたび衝突していた。

ブルトン氏は、米国への渡航禁止措置が発表された後、自身が政治的な支持を幅広く受けたと述べた。米国は自国のSNSプラットフォームを「喜ばせるためだけに、われわれが民主的に成立させた法律の変更を強いることはできない」とした上で、「いや、われわれは立ち上がらなければならない」と強調した。

同氏は自身が制裁を受けた理由について、子どもやティーンエージャーを含む欧州の利用者を保護するための法案を提出したためだと述べた。法案はEU議員の約9割に加え、全加盟国の支持を受けたという。

ブルトン氏は2024年9月まで欧州委員を務めた。

原題:Former EU Official Hit With US Visa Ban Urges Bloc to Fight Back(抜粋)

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