(ブルームバーグ):日本銀行の10月の金融政策決定会合では、ある政策委員から物価目標達成時に景気を刺激も抑制もしない中立金利まで一挙に成功裏に利上げすることは不可能との見解が示された。24日に議事要旨を公表した。
それによると、ある委員はインフレ率が目標に到達するまで金利調整を一切行わない場合、目標達成時点で一挙に金利を中立金利まで引き上げる必要があると指摘。その上で、「その時々の中立金利を具体的に特定することはできないため、これを成功裏に行うのはほぼ不可能だ」と語った。
他の意見
- 経済・物価見通しが実現していけば、利上げで緩和度合いを調整していくとの認識で一致
- 企業の積極的な賃金設定行動が途切れるないか、もう少し確認する必要
- ヒアリング情報も用い、賃金と物価が共に緩やかに上昇するメカニズム維持の見極め重要
- 中立金利は政策金利より高い位置、経済・物価情勢改善に応じた緩和度合い調整は安定した経済・物価の実現につながる
- 足元急ぐ状況でないが、適切な情報発信を続けながらタイミング逃さずに利上げ
10月29、30日の会合では政策金利を0.5%程度に据え置くことを7対2の賛成多数で決定。9月会合に続いて高田創、田村直樹両審議委員が反対し、0.75%程度への利上げを提案した。高市早苗政権の発足から間もないこともあり、事前の市場では政策維持が見込まれていた。12月会合では30年ぶりの水準となる0.75%への利上げを決めた。
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