(ブルームバーグ):城内実経済財政担当相は19日の記者会見で、日本銀行の利上げ判断を尊重するとしつつ、今後については景気の先行きには十分注視が必要だとの認識を示した。
城内氏は日銀の判断を尊重するが、経済財政運営において米国通商政策、物価上昇の継続、金融資本市場など「景気の先行きには十分な注視が必要な点がある」と述べた。その上で、日銀には「強い経済成長と安定的な物価上昇の両立の実現に向けて引き続き、適切な金融政策運営が行われることが重要だ」と述べた。
その上で、日銀には「今回の政策変更の趣旨を対外的に丁寧に説明いただきたい」とも注文を付けた。同氏は金融政策決定会合に出席していたが、同会合での自らの発言については明らかにしなかった。
日銀は今回の会合で政策金利を1995年以来の水準に0.25ポイント引き上げた。経済・物価の見通しが実現していけば、その改善に応じて利上げで金融緩和の度合いを調整していく方針も示している。
ただ、高市早苗政権に近いとされるリフレ派の有識者からは今後、拙速な利上げは望ましくないとの見方が相次いでおり、城内氏としても早期の再利上げをけん制したとみられる。
クレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミストは19日付のリポートで、今後1年間は利上げはなく「高圧経済」と「官民連携の成長投資」という経済政策の基本方針を、日銀は支援していくことになるとの見通しを示した。
前日本銀行副総裁の若田部昌澄早大教授は17日、経団連主催のシンポジウムで、経済を刺激も抑制もしない中立金利の上昇局面での利上げは自然としつつ、拙速な対応は望ましくないとの見解を示した。
会田氏は日本成長戦略会議の有識者メンバー、若田部氏は経済財政諮問会議の民間議員を務めている。
城内氏の他の発言
- 金融政策の具体的手法は日銀に委ねられるべきだ
- 中立金利の水準、相当な幅を持って見る必要
- 為替含め市場の動きを高い緊張感持ち注視
- 為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移すること重要
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