アサヒグループホールディングスは17日、英飲料メーカー、ディアジオから同社の東アフリカ事業を運営する企業の株式を買収する契約を結んだと発表した。

発表資料によると、アサヒGHDはディアジオの子会社が保有する「ディアジオケニア」(DKL)の株式の100%を取得するほか、別の企業の株式53.68%も取得する。取得価格は計約4654億円になる。これにより、ケニアやウガンダ、タンザニアのビールやスピリッツ事業などを統括するEast African Breweriesについて、DKLが保有する株式65%を間接的に保有することになるという。取引完了は2026年下半期を予定している。

アサヒGHDはビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大を掲げ、グローバルブランドによる成長を目指している。発表資料によると、今回の買収はこうした方針に基づく戦略の一環。人口の増加と拡大する経済で長期的な成長が見込まれる東アフリカ市場で強固な事業基盤を築き、中長期的な成長につなげる狙いがある。スーパードライなど同社製品の現地販売も視野に入れているとした。

今回の買収では原則として金融機関からの借り入れや手元資金で充当する予定で、現時点では新株の発行は予定していないとした。

アサヒGHDはグローバルに事業エリアを展開する戦略を掲げ、10年代に相次いで海外事業を買収してきた。その後は財務の健全性を高めることに注力しており、前期に目標を達成。20年にアンハイザー・ブッシュインベブ社の豪州事業を取得して以来となる海外買収に注目が集まっていた。

Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg

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