(ブルームバーグ):米投資会社カーライル・グループは、ロボット掃除機「ルンバ」を手掛け、経営破綻したアイロボット向け融資で1億ドル(約155億円)を超える損失を被ったもようだ。提出書類と裁判書類に基づく推計で示された。
カーライルは2023年7月、アマゾン・ドット・コムによる買収が完了するまでの資金繰りを支えるため、アイロボットに2億ドルの融資を実行した。しかし、競争阻害を懸念する欧州連合(EU)から承認が得られず、計画は頓挫した。
アイロボットの提出書類によれば、アマゾンによる買収計画が昨年初めに白紙となった後、カーライルは3900万ドルを回収した。 同社は結局、主要サプライヤーで、アイロボットの経営権を取得する中国・深圳市杉川機器人に残りの債権を損失覚悟で売却した。
カーライルは「アイロボットのアマゾンへの売却計画を支援する高度なストラクチャードファイナンスであり、当社の好調な分散クレジットポートフォリオの小規模なポジション」と説明した。
米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の下での再建プランと共に開示された清算分析によると、カーライルが実行した融資の価値は1ドル当たり16-29セントと評価された。
カーライルが「借り手の清算価値の下限に届かない価額」でローン債権を売却したことが、破産申請時に明らかになった。
同社はプライベートクレジット部門を通じて融資を実行した。提出書類によれば、貸出金利は担保付翌日物調達金利(SOFR)に9ポイント上乗せと、プライベートクレジットで多く見られるスプレッド(6、7ポイント)を上回る水準に設定され、ピーク時の金利は14%を超えた。
原題:Carlyle Loses Over $100 Million on Soured Private Loan to iRobot(抜粋)
(融資条件を追加して更新します)
--取材協力:Davide Scigliuzzo、Irene Garcia Perez.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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