イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業のスペースXが内部者株式売却で自社を約8000億ドル(約124兆6900億円)と評価したことを受け、米グーグルの親会社アルファベットは新たに巨額の含み益を計上する公算が大きい。

スペースXのブレット・ジョンセン最高財務責任者(CFO)が株主に宛てた文書によると、同社の内部関係者による株式売却は1株当たり421ドルの価格に設定されたとブルームバーグが先週末に報じた。7月の212ドルの2倍近い水準という。

これにより、アルファベットが長期保有するスペースX株の帳簿価額が押し上げられる見通しだ。

アルファベットは少なくとも2015年からスペースXに出資している。ブルームバーグの報道によると、当時はフィデリティ・インベストメンツと共同で10億ドルを拠出し、持ち株比率は合計で約10%だった。

グーグルの担当者は、個別の非公開保有資産に関する開示やコメントを行わない方針だとして、コメントを控えた。

アルファベットは財務報告書で個別の非公開保有資産を開示していないが、スペースXの評価額の変動はこれまで「非市場性株式の未実現利益」として業績に反映されてきた。今年4月には非公開企業への投資に関連し80億ドルの未実現利益を計上し、1-3月の純利益が市場予想を上回った。市場ではこの投資先がスペースXと受け止められている。

今回の大幅な評価額引き上げを受け、市場ではアルファベットの次期決算で会計上の利益押し上げ効果がどの程度になるか注視している。

原題:Alphabet Poised for Another Paper Gain as SpaceX Valuation Jumps(抜粋)

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