(ブルームバーグ):自動車業界の労働組合で構成される自動車総連は12日、2026年春闘で月1万2000円以上のベースアップ(ベア)を求める方針を示した。今年を上回る賃上げを目指す。
自動車総連は、全世代での実質賃金の向上や規模間格差の拡大防止などを踏まえ、ベアで「1万2000円以上の実現にこだわる」と強調した。7年ぶりに具体的な金額を示した25年春闘の要求目安は1万2000円だった。
同日に開催した中央執行委員会で方針を確認した。来年1月の中央委員会で諮る予定。
金子晃浩会長は記者会見で、25年春闘を「下回る理由はない」と言明。米国の関税政策の影響を受ける中でも、労働条件を絞ると人材を確保できない状況に直面しているという。自動車産業を取り巻く環境に健全な危機感を持ちながら、組合員の生活の基礎を改善することが「われわれに求められているミッションだ」と述べた。
国内自動車大手7社の決算資料によると、米関税措置の影響で26年3月期の営業利益は合計で2.5兆円押し下げられる見通し。すそ野の広い自動車産業で賃上げモメンタム(勢い)が定着するかどうかは、社会全体の賃金底上げに向けた鍵となる。
25年春闘でのベアの平均回答額は、最終集計(8月28日時点)で9520円(賃上げ率3.58%)。定期昇給を含む賃上げ総額は1万2886円(同4.94%)だった。
自動車総連が加盟する全日本金属産業労働組合協議会(金属労協)は3日、26年春闘で月額1万2000円以上のベアを要求する方針を示していた。
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