(ブルームバーグ):米マイクロソフトの消費者向け人工知能(AI)部門を率いるムスタファ・スレイマン氏は、「人間の利益に沿った」スーパーインテリジェンス(超知能)の創出を目指しているとしながらも、それが人類に脅威をもたらす場合は開発を中止すると表明した。
スレイマン氏はブルームバーグの番組のインタビューで、「制御不能になり得るシステムの開発を続けることはしない」と発言。こうした考え方は本来、明白かつ普遍的なものであるべきだが、「今の業界では斬新な姿勢だと思う」と述べた。

マイクロソフトは昨年3月、スレイマン氏が創業したスタートアップ企業インフレクションAIの知的財産を取得し、スタッフの大半を採用。同氏を消費者向けAI事業責任者に起用した。これまで大半のAIツールをOpenAIに依存してきたが、今後は業界最高水準の製品開発を同氏に委ねるとした。
しかし、10月にOpenAIと新たな合意を結ぶまでスレイマン氏の取り組みは契約条項によって制限されていた。その条項では、人間と同等の能力を持つシステムと定義される汎用AI(AGI)や、人間の能力を超えるスーパーインテリジェンスを追求することは禁じられていた。
スレイマン氏によれば、マイクロソフトはOpenAIの最新製品へのアクセスと引き換えにこうした権利を実質的に放棄していたという。
「この1年半、依然として汎用AIの開発を手掛けていたが、今では全てのタスクで人間の能力を超え得る技法や手法に取り組めるようになった。われわれにとっては転換点だ」と同氏は語った。
スレイマン氏は先月、ブログ投稿でスーパーインテリジェンス開発推進を発表。こうしたシステムは人類に奉仕することを前提に設計されなければ成功しないとの自身とマイクロソフトの認識を明らかにしていた。

原題:Microsoft Pledges to Create ‘Human Aligned’ Super Intelligence(抜粋)
--取材協力:Mishal Husain.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2025 Bloomberg L.P.