米国の輸出規制が強化されているにもかかわらず、中国の華為技術(ファーウェイ)と製造パートナーである中芯国際集成電路製造(SMIC)は、半導体製造技術において前進を続けている──。新型スマートフォンの部品を分析した調査会社のテックインサイツはそう指摘する。

11日に公表されたリポートによると、ファーウェイの「Mate 80 Pro Max」に搭載されているプロセッサ「Kirin 9030」の製造には、SMICの技術の進化バージョンが使われている。「中国国内でこれまでに製造された中で最も先進的な半導体技術」だと分析する。

リポートは、この新型チップは「SMICが前世代を超え、漸進的ではあるが有意義な微細化を実現したことを示す」とも指摘した。

両社は米国の輸出管理措置の対象で、半導体技術へのアクセスには制限がある。米政府は両社を中国の軍事機関と関係しているとして国家安全保障上の脅威とみなし、「エンティティーリスト(取引制限対象リスト)」に指定している。

製造技術の進歩は、より安価で高性能なチップの製造を可能にする。だが、中国企業には依然として壁がある。アプライド・マテリアルズやASMLホールディングといったサプライヤーが、中国企業に最先端の製造装置を提供することを禁じられているからだ。

テックインサイツによれば、SMICの技術は、台湾積体電路製造(TSMC)やサムスン電子の技術にはまだ及ばない。また、歩留まりで劣る可能性が高く、製造コストも高いとみられている。

テックインサイツは、SMICが7ナノ(1ナノは10億分の1)メートル技術を更新した「N+3」と呼ばれるプロセスを用いてファーウェイのチップを製造していると分析する。ライバル企業はより進んだ5ナノ技術を使っている。

リポートは、「絶対的な尺度で見れば、N+3はTSMCやサムスンが採用する業界の5ナノ技術に比べ、依然として大きく後れを取っている」と結論付けた。

原題:China’s Huawei, SMIC Make Progress With Chips, Report Finds (1)(抜粋)

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