(ブルームバーグ):トランプ米大統領は、米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの売却案について、ニュース専門局CNNの経営権が含まれない案には反対する考えを示唆した。Netflixによる買収提案に影響を及ぼす可能性がある。
トランプ氏は10日、ホワイトハウスで開かれた財界リーダーとの会合で、「どんな取引であっても、CNNがその一部となるか、別に売却されることを保証されるべきだ」と述べた。
さらに、「今の経営陣やCNNを率いている人々は非常に不誠実な集団だと思う。彼らがそのまま経営を続けることは許されるべきではない。CNNも他の事業と一緒に売却されるべきだ」と語った。
トランプ氏は、CNNの現経営陣が取引によって得た「資金で」事業継続を許される形で報われる可能性がある点を最大の懸念として挙げた。ワーナーを巡っては、Netflixとパラマウント・スカイダンスが買収提案で競っている。

Netflixは、ワーナーのテレビ・映画スタジオおよびHBO事業を1株当たり27.75ドルで買収することで同社と合意している。ワーナーは取引完了前にCNNを含むケーブルチャンネルをスピンオフ(分離)する計画。スピンオフは来年7-9月期に実施される予定で、グンナー・ウィーデンフェルス最高財務責任者(CFO)が同事業の責任者に指名されている。
パラマウントはCNNなどのケーブルネットワークを含めたワーナー全体の買収を1株当たり30ドルで提案している。
ハリウッドとワシントンでは、ワーナー争奪戦に関するトランプ氏の発言に注目が集まっている。パラマウントのデービッド・エリソン最高経営責任者(CEO)の父親でソフトウエア大手オラクル創業者のラリー・エリソン氏は、トランプ氏の支持者として知られる。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、デービッド氏は親会社の経営権を握った場合、トランプ氏が長年批判してきたCNNに対して抜本的な改革を行うと約束した。また、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏もエリソン氏側の資金調達に関与している。
エリソン氏は10日、ワーナーの株主に宛てた書簡で、自身の提案の方が価値が高く、規制当局の承認を得やすいと主張し、株主に公開買い付けへの賛同を呼びかけた。
トランプ氏はNetflixのテッド・サランドス共同CEOとも会談しているが、どちらの提案を支持するかについては公には明言していない。
原題:Trump Says Warner Bros. Deal Should Include Sale of CNN (1)(抜粋)
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