(ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)は9、10両日に開催した定例会合で、主要政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジを0.25ポイント引き下げて、3.5-3.75%とすることを決定した。
これについての市場関係者の見方は以下の通り。
◎ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏:
- トランプ米大統領が次の連邦準備制度理事会(FRB)議長に誰を指名しても、その人物はハト派になるだろう
- パウエルFRB議長退任後には利下げが実施され、ドルが弱含む可能性がある
- 米金融当局による利下げは長期金利には効果がない
- 今回の利下げがパウエル議長による最後の利下げになる可能性がある
- パウエル議長は失業率の上昇により関心を向けているようだ
- 量的緩和が今後必要になり、プライベートクレジット市場が多くの供給を吸収している
- 今回の利下げについて、「タカ派的な利下げ」とは感じていない
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのケイ・ヘイグ氏:
- FOMCは「保険的利下げ」を打ち止めにする段階に到達した。短期的な追加緩和を正当化するには労働市場データがさらに弱くなることが必要だ
◎エバーコアISIのクリシュナ・グハ氏:
- 全体として適度なタカ派的利下げで、最大限のタカ派的利下げではない
◎クリアブリッジ・インベストメンツのジェフ・シュルツ氏:
- FRBの指導部交代が目前に迫る中で、トレーダーがパウエル議長やFOMCの慎重な見通しを軽視している可能性がある
- FOMCが示す2026年に利下げ1回という見通しは、2回の利下げを織り込む会合前の先物市場の動きと依然として食い違っている
- われわれもFOMCと同様に、これ以上の金融支援が必要となる可能性は限定的だと考えているが、来年5月に新議長が就任することを踏まえ、投資家は今回の金利予測分布図(ドット・プロット)を通常より重く受け止めないよう注意すべきだ
◎ハートル・キャラハンのブラッド・コンガー氏:
- パウエル議長の発言もドットチャート(金利見通し)も、市場にとって重要ではないはずだ。当社での見解では雇用市場は減速している
- 労働市場の弱さはインフレを(ゆっくりと)押し下げ、追加利下げを正当化するだろう。
- 次期FRB議長候補として最有力視されているハセット国家経済会議(NEC)委員長が実際に就任する頃には、フェデラルファンド(FF)金利は3%になっている可能性が高い
◎ ビアンコ・リサーチのジム・ビアンコ氏:
- FOMCの現行メンバーが、政治的アジェンダに対する独立したブレーキの役割を果たすと期待していた。そのため、私はもっと多くの反対票を望んでいた
◎JPモルガン・アセット・マネジメントのボブ・マイケル氏:
- 金利据え置きを主張する反対票がもっと出てもよかった
- 来年FOMCに加わる新たな地区連銀総裁らはタカ派寄りだと予想
- FOMCの経済見通しについては、タカ派傾斜の姿勢がうかがえる
◎JPモルガン・インベストメント・マネジメントのプリヤ・ミスラ氏:
- 声明は懸念されていたほどタカ派的ではなかった。タカ派の反対票は2人、ハト派の反対票は1人にとどまった
- インフレおよび失業率に関するリスク評価を巡ってFOMC内で大きな意見の相違があることを踏まえると、これは大きな問題ではない
◎ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのダニエル・シルク氏:
- FRBは今後の動きはデータ次第だと強調し、会合ごとに判断する姿勢へ明確に移行した
- パウエル議長は記者会見でこの姿勢をあらためて強調した。今回の利下げを新たなサイクルの開始ではなく「慎重な調整」と捉えていると述べた
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