(ブルームバーグ):ネットワーク機器メーカー大手、米シスコシステムズの株価が10日、四半世紀ぶりに過去最高値を更新した。同社はドットコムの技術革命期を代表する銘柄だが、人工知能(AI)投資ブームの追い風を受けた。
株価は0.9%高の80.25ドルとなり、25年以上前の2000年3月27日に付けたピークを上回った。当時の最高値はドットコムバブルの頂点とみなされている。
SLCマネジメントのマネジングディレクター、デック・ムラーキー氏は「バブル崩壊からの回復に長い時間がかかり得ることをあらためて想起させる。すぐに思い浮かぶ事例は日本株だ。1980年代終盤のバブルから回復するのに数十年を要した」と指摘。「手痛い下落で投資家の信頼を失うと、信頼が戻るまで何年も要する」と述べた。
この日の上げは、米連邦準備制度が3会合連続で利下げを決めたことを受けた米国株全体の上昇にも支えられた。S&P500種株価指数は0.7%高となり、ハイテク株比率の高いナスダック100指数も0.4%上昇した。

シスコの最高値更新は、投資家や専門家が現在の「マグニフィセント・セブン」主導の上昇相場と、シスコが前回、過去最高値を付けた局面を比較しているタイミングと重なった。当時、シスコはマイクロソフトやインテル、デルと並び、1990年代終盤に投資家の強い注目を浴びた「ナスダックの四騎士」の一角だった。
2000年に最高値を付けるまでの2年間に、シスコ株は約600%上昇し、時価総額は5000億ドル(現在のレートで約78兆円)超に達した。だがドットコムバブル崩壊後、同社の時価総額は最終的に約90%減少。02年終盤に約600億ドルまで落ち込んだ。
その後、シスコ株は800%超上昇した。ただ時価総額は、ドットコムのピークをなお4割強下回る。
ムラーキー氏は株価復調について「信頼の表れ」との見方を示した。「ただ同社はイノベーターというより『公益事業』に近い存在になった。恐らくそれが投資家の望んでいた姿なのだろう」と語った。
今回の株価上昇局面は、シスコが先月示した堅調な売上高見通しが原動力となった。企業によるAI投資が今後数年にわたって同社の成長を加速させるとの期待が高まった。同社は世界各地の企業によるAIインフラへの巨額投資を取り込めるよう取り組みを進めている。
原題:Cisco Shares Finally Top Dot-Com Record After More Than 25 Years(抜粋)
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