中国軍の戦闘機によるレーダー照射をめぐり、自衛隊の元制服組のトップはJNNのインタビューに「中国側の威嚇だ」と話し、冷静に対応することが重要との認識を示しました。
高市総理
「今回のレーダー照射というのは、航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為でございます。このような事案が発生したことは極めて残念です」
高市総理が非難したのは、おととい発生した中国軍の戦闘機による自衛隊機へのレーダー照射です。現場では何が起きていたのでしょうか?
防衛省によりますと、中国海軍の空母「遼寧」はおととい、ミサイル駆逐艦3隻とともに沖縄本島と宮古島の間を通過。その後、中国海軍は「遼寧」から戦闘機などを発着艦させる訓練を実施します。
これに航空自衛隊の戦闘機がスクランブル=緊急発進して対応すると、おととい午後4時32分ごろ、「遼寧」から飛び立った中国機が自衛隊機に、断続的にレーダー照射をおこなったのです。
河野克俊 元統合幕僚長
「レーダー照射をされたということは、もう次の引き金を引けばミサイルは飛んでくる状況ですので、レーダー照射をするということ自体がもう敵対行為、戦闘行為と解釈するのがおそらく普通です。国際的には」
こう話すのは、自衛隊の元制服組トップ・河野元統合幕僚長。さらに、別の自衛隊機にもレーダー照射をおこなった中国側に対し、日本政府は強く抗議し再発防止を厳重に申し入れましたが、中国海軍の報道官は。
中国海軍報道官の談話
「中国側は事前に訓練海域・空域を公表していた。自衛隊機は何度も訓練海域・空域に接近し、中国側の正常な訓練に深刻な影響を与えた」
2日間で、およそ100回の戦闘機などの発着艦を繰り返した上、“日本側の対応に問題があった”と主張する中国に対し、木原官房長官はこう反論します。
木原稔 官房長官
「自衛隊は安全な距離を保ちながら対領空侵犯措置の任務にあたっていたと報告を受けており、自衛隊の航空機が中国の航空機の安全な飛行を深刻に阻害したとの中国側の指摘はあたりません」
偶発的な衝突が起きかねない状況に、河野氏は「冷静な対応が必要だ」と話します。
河野克俊 元統合幕僚長
「中国側としては自分たちの主張を通そうと思って、いろいろ手は打たれてるんだと思うんですけどね、私は今はやっぱり日本の方が、世界的に日本の方が道義的に上だと見られてるんじゃないかと思う。だからここは動じることなく、冷静に対応していけばいいと思います」
張り詰めた両国の緊張関係。緩める糸口は見いだせるのでしょうか?
一方、中国外務省の報道官は「日本の戦闘機が無断で中国側の演習区域に侵入し、妨害した」と反発しました。
中国外務省 郭嘉昆 報道官
「中国側は強烈な不満を表明し、断固として反対する。日本側に厳正な申し入れを行い、強く抗議した」
そのうえで、「中国側の正常な演習活動を妨害する危険な行為を停止するよう強く促す」と主張しました。
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