介護事業者の倒産 過去最多「限界に近づいてくる」

チャット・ケアすずらん 板持代表(74)
「事業利益は令和5年(2023)度も、6年度もマイナス。赤字というのが実態。構造的に収益が少ない中で、だんだん限界に近づいてくるかなという感じがする」

【「老人福祉・介護事業」の倒産件数】
2022年:143件
2024年:172件(過去最多)
※東京商工リサーチ調べ

2024年の介護事業者の倒産は172件で過去最多。「ヘルパーを確保できない」のが要因の1つです。

相次ぐ倒産が、サービスを続ける介護事業者をさらに苦しめます。

島根県・江津市の訪問介護事業所では、別の事業者が撤退したため、残された利用者の介護を請け負っています。

ヘルパーステーション 合歓の郷 管理者 花吉俊明さん(56)
「ヘルパーさんたちがどんどん減ってる。閉鎖しますとか、もういないので『来てください』とか」

この日、ヘルパーが向かったのは、撤退した事業者を利用していた女性です。

訪問介護ヘルパー 杉井友子さん(74)
「できたかな?」

利用者(78)
「こうしておけばいい?」

訪問介護ヘルパー 杉井さん(74)
「広げましょう」

利用者にとってヘルパーは、なくてはならない存在です。

――ヘルパーが人手不足で来られないと?

利用者(78)
「困ります、こっちは」

訪問介護ヘルパー 杉井さん(74)
「困る?」

利用者(78)
「そりゃあ困るよ。頭がぼけるよ」

ヘルパーステーション 合歓の郷 管理者 花吉さん(56)
「3年…、5年後。いま働いていただいているヘルパーさんが何人残っているか。なかなか、10年後なんかは想像がしにくい」