韓国銀行(中央銀行)の李昌鏞総裁は27日、通貨ウォンが値下がりし続け、1ドル=1500ウォンに近づくことよりも、そこへ向かわせている要因、つまり若年層による積極的な外国株投資の方を懸念していると述べた。

李総裁は政策金利据え置き発表後の記者会見で、特に投資の動機を危惧していると明らかにし、「若者たちになぜそんなことをするのかと尋ねたところ、かなり驚いた。『クールだから』という答えだったからだ」と語った。

外国株投資が「流行のように広がっており、そこが本当に気になる」という。

 

ウォンは今四半期に入り約4%下落し、アジアで最も弱い通貨の一つとなっている。

李総裁は、ウォン安は米国との金利差や海外投資家の動きが要因ではないとし、むしろ韓国人投資家、とりわけ若い個人投資家が外国市場に多額の資金を投じていることが背景にあると指摘した。

ウォン安の進行を受け、韓国当局は警戒を強めている。具潤哲企画財政相は26日、ウォンの投機的かつ一方向の動きがないか注視していると述べ、ボラティリティーが高まれば対応する用意があると表明した。

李昌鏞総裁

国内投資家による外国株への資金シフトに警鐘を鳴らしているのは、李総裁だけではない。外国株投資の急増を受け、当局はすでに高リスク商品の購入に関する規制を強化している。

韓国証券預託院(KSD)のデータによれば、韓国の個人投資家は今年これまでに米国株を300億ドル(約4兆6900億円)買い越しており、過去最高の買越額となっている。2024年のほぼ3倍で、19年の12倍余りだ。

李総裁は、若い投資家が外貨へのエクスポージャーについてどこまで理解しているのか、またポジション解消時の為替変動リスクを管理する適切な指針を持っているのか疑問を呈した。

「心配している」と述べた上で、「今起きていることは、韓国にとって非常に特異な現象だと思う」との見方を示した。

原題:Rhee Warns of Trendy ‘Cool’ Youth Bets Fueling Won’s Weakness(抜粋)

--取材協力:Youkyung Lee.

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