(ブルームバーグ):来週の円相場は政府・日本銀行の為替介入の有無に市場関係者の注目が集まっており、見送られれば対ドルで160円に向け下落基調が続きそうだ。通貨当局の一挙手一投足に緊迫する1週間となる。
◎みずほ銀行国際為替部の長谷川久悟マーケット・エコノミスト
- スワップ市場の年内の利上げ織り込みは2割程度で、サプライズを避けたい日銀にとって利上げに向けた環境整備を行うのは困難
- 片山さつき財務相は為替介入は選択肢として当然考えられると述べ、円安けん制を一段強めたが、介入が差し迫っている雰囲気はない
- 米国から求められている利上げをせずに円買い・ドル売り介入を行うのは難しい
- 年内の米国の利下げ織り込みは3割程度残り、来週の経済指標などにより織り込みが剥落すれば、一段と円安・ドル高圧力が加わり、円は対ドルで160円に向かって下落を続けるだろう
- 予想レンジは1ドル=157-159円
◎岡三証券投資戦略部の武部力也シニアストラテジスト
- これ以上の円安・ドル高は日米共に許容できず、連休中に円買い・ドル売り介入が行われる可能性があり、円は上昇に転じるだろう
- 高市早苗首相が新設した日本成長戦略会議のメンバーであるクレディ・アグリコル証券の会田卓司氏が160円まで円安が進む前に介入の可能性もあると述べたのに続き、片山財務相の為替介入は選択肢との発言は極めて重要なサインだ
- 片山財務相が18日、木原稔官房長官は20日に円安を憂慮していると述べたが、円安けん制としてこうした表現は過去に例がなく、非常に強い警告になっている
- 政府が補正予算で財政出動するタイミングで日銀が利上げするのはマクロ経済政策としての整合性がなく、12月の利上げは困難。円安を止めるのは介入しかない
- 予想レンジは1ドル=154.20-158.20円
主な予定
- 25日:9月の米小売売上高と生産者物価指数
- 26日:9月の耐久財受注
- 27日:日銀の野口旭審議委員が大分県金融経済懇談会で講演と会見
- 28日:11月の東京都区部消費者物価指数(CPI)
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