ドイツのメルツ首相は13日、中国の華為技術(ファーウェイ)などのサプライヤーを将来の通信ネットワークから排除すると表明した。安全保障上のリスクを理由に挙げており、政府が推進するデジタル主権強化の一環だ。

メルツ首相はベルリンで開かれたビジネス会議で、「可能な限り自国で製造した部品に置き換える方針を政府内で決定した。例えば第5世代(5G)ネットワークの構成部品などだ」と指摘。さらに、「第6世代(6G)ネットワークには中国製の部品を一切使用しない」と述べた。

欧州では、アジア製半導体から米国の人工知能(AI)やクラウドインフラに至る外国技術への依存を巡り懸念が高まっている。貿易摩擦や地政学的緊張で重要なサプライチェーンが脅かされているためだ。

ドイツ政府は昨年、安全保障上のリスクを理由に、国内の通信会社に対しファーウェイ製機器を基幹ネットワークから撤去するよう命じた。現在はドイツテレコムなど通信各社に公的資金を支払い、中国製機器を交換させることを検討しているとブルームバーグ・ニュースが先月報じていた。

メルツ首相は、来週予定されているフランスのマクロン大統領とのデジタル主権サミットでこの問題を取り上げる考えを示した。「われわれは、中国だけでなく、例えば米国や大手テクノロジー企業への依存を避けるために何ができるかを産業界と協議していく」と語った。

ただ、ドイツ2位の貿易相手国である中国との完全なデカップリング(切り離し)は否定し、「それは不可能だ。中国にもできないが、ドイツにとってはなおさらだ」と話した。

原題:Germany to Ban Huawei From Future 6G Network in Sovereignty Push(抜粋)

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