(ブルームバーグ):ブラジルの鉱山会社ヴァーレは、鉄鉱石の出荷先多様化を進めている。鉄鉱石の最大顧客である中国が価格への影響力を強めていることに対応する。
グスタボ・ピメンタ最高経営責任者(CEO)はリオデジャネイロ本社でインタビューに応じ、鉄鉱石出荷先の約半分を引き続き中国が占めるものの、新たにインドやベトナムに販売を広げており、さらに東南アジアの他市場や中東への展開も探っていると述べた。
ピメンタ氏によれば、これは長年続いた中国依存からの自然な転換だ。新興国の多くが自国の鉄鋼業強化を目指す一方、中国は国内消費とテクノロジー重視へと重点を移している。

同業でオーストラリアのBHPグループと中国の契約交渉が決裂した影響について問われた同氏は、現在の鉄鉱石市場では、売り手も買い手も価格を支配できる立場にはないと説明。
市場のバランスが崩れている場合には、一方が交渉力を強めることがあると語った上で、「今回は市場が均衡しており、大手の鉱山会社はいずれも、自社の商品が最終顧客にとって実質的な価値を持つことを理解している」と語った。
ピメンタ氏によると、中国の鉄鋼生産量は2020年代いっぱい年約10億トンの水準で推移すると見込まれる中で、ヴァーレはインドでの「大幅」な増産を目指している。同社はまた、インドでの工場建設や現地企業との提携も検討している。
原題:Vale Eyes Markets Beyond China Amid Iron Price Power Battle (1)(抜粋)
--取材協力:Katharine Gemmell、Paul-Alain Hunt.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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