(ブルームバーグ):マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
20年余りで最多
米企業による10月の人員削減発表は、同月として過去20年余りで最多となった。人工知能(AI)の浸透による産業構造の変化とコスト削減の加速が背景にある。米民間再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、10月に発表された人員削減数は15万3074人で、前年同月のほぼ3倍。中心はテクノロジー企業と倉庫業だった。チャレンジャーは「一部の業界ではパンデミック期の採用ブームの反動が起きているが、主因はAI導入の進展、個人消費や企業支出の減速、コスト上昇だ。これらが経費削減や採用凍結につながっている」と指摘した。
12月利下げに布石
イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利を4.00%に据え置いた。市場予想通りだったが、決定は5対4で、4人は3.75%への利下げを主張した。僅差による決定は、12月の利下げに向けた布石となる可能性がある。中銀はガイダンスを変更し、金利は「今後も緩やかな低下傾向を続ける可能性が高い」と予想。インフレ率については、9月の3.8%が「ピークとなる可能性が高い」との見解を示した。議事要旨によると、金利据え置きを支持した当局者の中ではベイリー総裁が最もハト派的だった。
FRB高官発言
米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言が相次いだ。クリーブランド連銀のハマック総裁は、金融政策を通じてインフレに下押し圧力をかけ続けるべきだとの見解を示した。インフレは過度に高く、当局にとっては労働市場の弱さよりも依然大きなリスクだという。シカゴ連銀のグールズビー総裁は政府機関の閉鎖が続き、インフレデータに乏しいことから、利下げ継続には一層慎重にならざるを得ないとの考えを示した。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、債券市場が見積もる中立金利は高過ぎると発言。その見方が正しければ、インフレ圧力を抑制しながら追加利下げを行う余地があるかもしれないと述べた。
ファンド2本清算へ
スイスの銀行UBSグループは、破綻した米自動車部品メーカーのファースト・ブランズ・グループに対するエクスポージャーを持つファンド2本を清算する。事情に詳しい関係者によると、このファンドは売掛債権を担保に資金を貸し出すインボイスファイナンスの「ワーキング・キャピタル・オポチュニスティック・ファンド」で、UBSのヘッジファンド子会社オコナーが運用していた。ファースト・ブランズに対するエクスポージャーはオコナーの業績を直撃し、顧客から解約請求が続いていたという。
政界引退
米民主党の重鎮、ペロシ元下院議長(85)が政界からの引退を表明した。約20年にわたり下院民主党を率い、4人の大統領の下で下院議長を務めた。SNSに投稿した動画でペロシ氏は「私たちは歴史をつくり、前進してきた」と述べ、「今こそ、私たちが大切にしてきた米国の理想を守るため、民主主義の担い手として引き続き力を尽くさなければならない」と語った。同氏の引退により、民主党が強い地盤を持つサンフランシスコ選挙区の議席が約40年ぶりに空席となる。党指導部にも空白が生じ、民主党が今後の方向性をどう描くかが改めて問われることになる。
その他の注目ニュース
「揺らぐジェンガ」のような米経済、富裕層依存の構造に深まるリスク
バフェット指標は語る、米株過熱を警戒せよ-バークレイズ指標も共鳴
人気の肥満治療薬、大幅値下げへ-トランプ氏とメーカーが「ディール」
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.