来週の円相場は下落する公算が大きい。日本銀行の早期利上げ観測が後退しており、円売り・ドル買いの流れが続く見通しだ。

◎SBI FXトレードの上田真理人取締役

  • 円安基調が続き、ドル・円は155円を超えていく可能性が高いとみている
  • 日銀の植田和男総裁が会見で12月会合ので利上げを示唆しなかったことで、唯一の円買い材料がなくなり、円は買いづらい
  • 米国の12月利下げは一定程度織り込まれているものの、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言から利下げが緩やかになることが意識され、日米の長期金利差は拡大した
  • 米中通商問題は改善方向にあるものの、具体的に全て取り決めが文書にされないとドル高の足かせになる
  • 予想レンジは1ドル=152円-157円

◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • 片山さつき財務相が足元の円安進行をけん制する発言をしており、けん制も強くなっていくとみられ、徐々に円は戻してくるだろう
  • 植田日銀総裁の会見はややハト派的だったものの、今後の利上げ継続のスタンスを示している。ドル・円の154円より上の水準は上値が重くなろう
  • 米政府機関の閉鎖が続いていることは経済にネガティブで、米金利の低下要因となり、ドルの上値を抑える
  • パウエルFRB議長の発言は政府機関閉鎖で経済指標が出ておらず、慎重に言わざるを得なかった。12月も引き続き利下げということで、一本調子にドルが上昇する展開は見込みにくい
  • 予想レンジは1ドル=150円-155円

主な予定

  • 3日:10月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数
  • 4日:衆院本会議で高市早苗首相が代表質問を行う(5日まで)
  • 5日:日銀金融政策決定会合の議事要旨(9月18、19日開催分)
  • 5日:10月の米ISM非製造業景況指数
  • 6日:9月の毎月勤労統計

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