ベッセント米財務長官は、中国が今年、米国産大豆を1200万トン購入することで合意したと明らかにした。対中輸出の再開を待ち望んでいた米農家にとって一定の安心材料となる。同長官は日本のロシア産液化天然ガス(LNG)輸入にも触れ、依存低下の見通しを示した。

ベッセント氏は30日、FOXビジネスの番組で、中国が今後3年間にわたり、年間最低2500万トンを購入することで合意したと述べた。

日本については「時間をかけて」ロシア産LNGへの依存が低下していくと見ており、米国がアラスカで建設中の極めて大規模なパイプラインプロジェクトに、日本は参画するだろうとも述べた。

これに先立ちトランプ大統領は、習近平国家主席との会談後、中国が「とてつもない」量の米国産大豆を購入し、それは今すぐ開始されると発言。ただそれ以上の詳細については明らかにしなかった。

今回の合意により、昨年約120億ドル(約1兆8500億円)相当に上った取引の再開に道が開かれる。長期にわたって資金繰り難に直面してきた米農家にとっては重要な一歩だ。米国産大豆は輸出シーズンを迎えているが、中国政府はこれまで購入を見送っており、米国との貿易協議で大豆を交渉材料として利用してきた。

今シーズン1200万トンという数量は、多くのアナリスト予想を一致している。中国は南米から記録的な水準の輸入を行い、十分な在庫を積み上げていることから、現時点で追加調達の必要性は低い。コムストックのシニア穀物・畜産アナリスト、ブライアン・グリート氏は「歴史的に見ればかなり大幅な減少だ」と指摘した。

さらに、中長期的に見た場合、年間2500万トンという購入は「基本的に通常の水準への回復だ」と述べ、農家が輸出需要を見通しやすくなり、長期的な経営計画を立てる上で助けになる可能性があるとした。米農務省のデータによると、昨年の米国から中国への大豆輸出は約2700万トンだった。

原題:China to Buy 12 Million Tons of Soy This Year, Bessent Says (1)(抜粋)

原題:Bessent Says Japan Will Wean Itself Off Russian LNG Over Time(抜粋)

(日本のロシア産LNG輸入に関するベッセント氏の発言を加えます)

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