(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で量的引き締め(QT)プログラムを終了する可能性があると、JPモルガン・チェースは指摘した。今週見られた資金調達環境の逼迫(ひっぱく)を理由に挙げた。
FRBは10月FOMC会合で、保有米国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)を終了するのに加え、即座に一時的な公開市場操作を開始するとJPモルガンは予想。特に、決済期日周辺などにおける資金繰りの逼迫を緩和するのが目的だとしている。
同行はまた、FRBが2026年1-3月(第1四半期)に準備預金管理の一環として米財務省短期証券(Tビル)の買い入れを開始するとも見込んでいる。名目国内総生産(GDP)に対する準備預金の比率が2019年9月時点を依然として上回っており、資金逼迫も当時ほど深刻ではないためだという。
JPモルガンは先週、QT終了時期の見通しを従来の26年3月から25年12月に前倒ししていた。
ストラテジストのテレサ・ホー氏やエコノミストのマイケル・フェローリ氏らは22日のリポートで、「通常であれば、政府支援機関(GSE)がレポ市場に資金を投じることでレポ金利に下押し圧力がかかる時期だが、今回は全くそうなっていない」と指摘。
担保付翌日物調達金利(SOFR)とトライパーティー一般担保レート(TGCR)は過去1カ月にわたって上昇傾向が続いており、直近1週間でその動きが加速しているとし、決済日や期末日以外でも資金調達コストが高止まりしていると説明した。
銀行は依然として十分な余剰資金バッファーを維持しているとみられるものの、翌日物リバースレポ(RRP)の残高が減少したことで、資金調達市場は「はるかに摩擦の多い」状態にあるとストラテジストらは分析。さらに、常設レポファシリティー(SRF)の運用も「準備預金の再分配や流動性不足の補完、最終的にレポ金利を抑制する上限ツールとしての役割を十分に果たせていない」と続けた。
原題:JPMorgan Expects Fed to End Quantitative Tightening Next Week(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.