2024年の初任給は2021年から約10%上昇

近年、人手不足や物価上昇を背景に、既存社員の賃上げだけでなく初任給の引上げを行う企業も増加していると言われています。

実際、新入社員の給料はどの程度伸びているのでしょうか。

厚生労働省によれば、新規学卒の初任給は、2021年から2024年で212.3千円→235.2千円と、10.8%上昇しています。

学歴別では、高校卒179.7千円→197.5千円(+9.9%)、大学卒225.4千円→248.3千円(+10.2%)、大学院卒253.5千円→287.4千円(+13.4%)と、学歴問わず上昇しています。

大学院卒の大幅上昇は、近年、IT・デジタルや半導体等の高度な専門人材の需要が増し、ジョブ型雇用等の対応も進んでいることが一因と考えられます。

企業規模間格差はやや拡大

大学卒の推移を企業規模別に見ると、1000人以上企業が229.8千円→258.1千円(+12.3%)、100~999人企業が223.9千円→241.8千円(+8.0%)、10~99人企業215.9千円→236.0千円(+9.3%)と、いずれも伸びていますが、元々水準の高い1000人以上企業の上昇率が最も大きく、企業規模間格差はやや拡大している状況です。

処遇だけでなく働きやすさや福利厚生も重要

新入社員は就職先を決める際に初任給を本当に重視しているのでしょうか。

東京商工会議所の調査では、就職先選定で「社風、職場の雰囲気」(58.8%)が1位、それに次いで初任給に該当する「処遇面」(52.7%)、「福利厚生」(44.9%)、「就職先の会社の事業内容」(43.1%)が上位にきています。

また、「働き方改革、ワークライフバランス」(40.4%)、「人材育成・研修制度、自己啓発への支援」(23.6%)、「柔軟な働き方」(18.8%)も重視しています。

人材獲得のためには、継続的な給与引上げだけでなく、働きやすい環境や福利厚生制度の整備、社員への成長支援等も求められます。

(※情報提供、記事執筆:第一生命経済研究所 総合調査部 副主任研究員 岩井 紳太郎)

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