21日の外国為替市場の円相場は対ドルで150円台後半で推移。米国株式相場の続伸がリスクオフ後退としてドルを支えた。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは21日付のリポートで、米株は米中対立懸念再燃前の水準に接近してドルの安定に寄与したとした。「きょうは高市政権発足が予想されるが、市場の焦点は来週の中銀ウィークに徐々に移行、ドル・円の値動きも徐々に抑制されそうだ」との見方を示した。

21日の臨時国会での首相指名選挙で、自民党と新たな連立政権の樹立で合意した日本維新の会は自民の高市早苗総裁に投票する。高市氏が女性初の首相に選出されることが確実な情勢だ。

SBI FXトレードの上田真理人取締役は「自民党と維新の会との連立は良かった。日本の政治は安定ししつつある」と指摘。ただ、「肝心の消費税減税や企業献金の話は棚上げのような格好。今後、政策を進めて行くには他の野党との協力が必要になり、高市トレードによるドル・円の152円、153円はなかなか見えてこない」と指摘した。

日本銀行の氷見野良三副総裁は21日、ユーラシア・グループ主催の「GZERO サミットジャパン2025」で講演する。日銀の高田創審議委員は20日の講演で「利上げに向け機が熟した」などとタカ派的な発言を行い、円買いが優勢になる場面があった。氷見野副総裁も利上げに前向きな発言をすると円が買い進まれる可能性がある。

20日の米10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い3.98%程で引けた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇した。米株相場は続伸し、S&P500種株価指数は2日間の上昇率が6月以来の大きさとなった。

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