(ブルームバーグ):20日の欧州債券市場では、フランス債が小幅安で引けた。S&Pグローバル・レーティングが同国の政治や財政の問題を理由に格下げしたが、取引終了にかけて下げ幅を縮小した。このほか大半の欧州国債は小幅に上昇した。
フランス10年債利回りは一時3.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.40%と、ほぼ1週間ぶりの高水準を付けた。ドイツ10年債利回りはほぼ変わらずの2.58%となった。
独仏の10年債スプレッドは朝方には80bpまで拡大したが、その後78bpに縮小した。
英国債は上昇し、2年債利回りは2bp低下して3.85%、10年債利回りも2bp低下して4.51%。イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁が先週末、英国の経済成長は欧州連合(EU)離脱が今後長きにわたって重しになるとの見解を示し、英国債を後押しした。
株式は反発。米中から貿易問題で友好的な言い回しが聞かれたほか、米地銀を巡る懸念が後退した。
ストックス欧州600指数は1%上昇。テクノロジー株が上げを主導した。一方、メディアは軟調だった。
フランスCAC40指数は朝方の下げを消し、0.4%高で取引を終了。BNPパリバの急落を高級品セクターの上昇で打ち消した。ビューティー事業をロレアルに評価額40億ユーロ(約7020億円)で売却することに合意したケリングは4.8%高。同業のエルメス・インターナショナルやLVMHも買われた。
サクソバンク・フランスのセールス・トレーディング責任者、アンドレア・トゥエニ氏は「政治リスクの最前線にないLVMHやケリングなど多くの企業や、CAC40指数で出遅れを買う動きが見られ、反発を促している」と指摘した。

BNPパリバは7.7%安で引けた。過去のスーダンでの事業に関して米国で提起されていた訴訟で敗訴し、高額な和解を強いられると懸念された。同行は控訴する方針を示している。
10月20日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:Europe Stocks Rise on Easing Trade Concerns; BNP Paribas Plunges(抜粋)
French Bonds Drop After S&P Downgrade: End-of-Day Curves(抜粋)
--取材協力:Michael Msika.
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