電気自動車(EV)用バッテリーで世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は、7-9月(第3四半期)の利益が急増した。中国では首位を守り、世界展開の拡大も進めた。

CATLが20日発表した7-9月の純利益は前年同期比41%増の185億元(約3910億円)となり、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想にほぼ一致した。売上高も増加したが、アナリストが予想した水準には届かなかった。

中国外でのCATLの成長は、他地域でどれだけ急速にEVが普及するかに左右されそうだ。欧州や米国の自動車メーカーはEV目標を一部後退させるとともに、2035年の新車内燃機関車の実質販売禁止を緩和するよう欧州委員会に働き掛けている。

SNEリサーチによると、今年1-8月のEV搭載バッテリー容量でCATL製は全体の36.8%を占め、世界首位を維持した。国内競合のBYDは自社のEVラインアップによる需要でシェアを伸ばしたが、CATLのバッテリー供給を受ける自動車メーカーとの競争は強まっている。

CATLは国外への拡大を引き続き成長戦略の中核に据えている。5月の香港市場上場で得た巨額の資金の相当部分は欧州での拡大に充てられ、ハンガリーの新工場は今年終盤または来年の早期にフル生産が始まる予定だ。

同工場は欧州のEV需要の変化にも対応できるよう、三元系リチウムイオン電池以外の複数のバッテリー元素を生産できる体制を取っている。ただ、CATLの国外戦略は、米国や欧州で中国の技術の流入に制限が加えられる恐れなど、地政学的な緊張に依然左右されやすい状態が続く。

原題:CATL Profit Rises 41% as Battery Maker’s Overseas Push Continues(抜粋)

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