大手証券各社が日経平均株価の年末目標を相次いで引き上げている。自民党新総裁に就任した高市早苗氏が大規模な景気刺激策を打ち出し、過去最高水準にある株価指数をさらに押し上げるとの見方が広がっている。

野村証券のストラテジストらは7日付リポートで、高市氏の景気刺激策などで企業収益が拡大するとの見通しを示し、日経平均の年末目標を従来から10%引き上げた。大和証券やSMBC日興証券も予測を上方修正し、スイスの資産運用会社ジュリアス・ベア・グループは年末目標を5万円に設定した。

先週末の総裁選での高市氏勝利を受け、週明け6日の日経平均は前週末比4.8%高となった。より広範な市場の動きを映す東証株価指数(TOPIX)も3.1%上昇した。為替市場では円安が進み、対ドルで心理的節目の150円を突破。ユーロに対しても史上最安値を更新した。

以下は、各社の日経平均株価の2025年末予想

野村証券(北岡智哉氏、藤直也氏)

  • 4万4500円から4万9000円に引き上げ
  • TOPIXの年末見通しは3300、従来の3200から引き上げ
  • 「サナエノミクス」により名目経済成長率が名目長期金利を上回る環境が生まれ、株式市場にポジティブに働く
  • 05年総選挙後の郵政改革や12年のアベノミクスなど、レジーム変化を伴う政策実行期待が高まれば息の長い株高となり、海外投資家の買いも続きやすい

SMBC日興証券 (安田光氏、武田信洋氏)

  • 4万5000円から4万7000円に引き上げ
  • 個別に注目できる政策テーマは、次世代エネルギー技術、サイバーセキュリティー、防衛力強化

大和証券 (坪井裕豪氏、尾谷俊氏)

  • 4万4000円から4万9000円に引き上げ、年内高値めどは5万円
  • 高市氏の総裁就任で成長期待が高まる
  • 米景気軟着陸期待の追い風を受けながら、26年にかけても緩やかな上昇を見込む

ジュリアス・ベア (ルイス・チュア氏)

  • 4万6000円から5万円に引き上げ
  • 日本を魅力的な先進国市場と捉えており、短期的な人工知能(AI)主導の勢いと、中長期的な構造改革および「サナエノミクス」による成長志向のリフレ政策という2つの追い風を享受できると考える
  • 足元では利上げの可能性が低下していることから、銀行株を除く株式で評価の見直し(リレーティング)が続くとみる

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