経営破綻した米自動車部品メーカー、ファースト・ブランズ・グループ(FBG)の債権者が同社に貸し出した最大23億ドル(約3500億円)が「消えた」と主張し、独立調査官の選任を求めている。

FBGはすでに簿外ファイナンスを検証する独立取締役会の委員会を設置しているが、短期資金の提供を手がけるライストーンは8日、「問題となっている不正行為の規模を踏まえると、取締役会による調査は著しく不十分だ」と批判した。

FBGは先月末、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。

ライストーンによれば、FBGの破産弁護士と10月2日に電子メールをやり取りした際、同弁護士がFBGが推定19億ドルを受け取ったかどうか分からないと伝えてきた。そのため、こうした要請に踏み切ったという。

このやり取りは、FBGが資産保全のため緊急融資10億ドル余りへのアクセスを認められた最初の破産裁判所審問後に行われた。

ライストーンのエマニュエル・グリロ弁護士は2日付のメールで、「まず、FBGが実際に19億ドルを受け取ったかどうか(その後どうなったかは別として)分かっているのか。次に、現時点でファクタリング債権に関する分別口座にいくら入っているのか教えてほしい」と尋ねたという。

FBGのサニー・シン弁護士からは「1番目の質問:分からない」、「2番目の質問:0ドル」と回答があったとライストーンは説明した。シン氏はFBGが破産法11条での再建手続きを進めるため起用した法律事務所ワイル・ゴットシャル・アンド・マンジズのパートナー。

ライストーンの申し立ては、テキサス州の破産裁判所で取り扱われる予定。

FBGの破産申請では負債総額が100億ドル超と記載されており、同社へのエクスポージャーを見極め、損失を抑えようとするウォール街各社の動きが広がっている。ジェフリーズ・フィナンシャル・グループ傘下のファンドは、FBGの顧客から支払われる売掛金に関して約7億1500万ドルを投資しているという。

原題:First Brands Creditor Seeks Investigation of ‘Vanished’ Cash (2)(抜粋)

--取材協力:Steven Church.

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