9月16-17日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、当局者らは年内の追加利下げに前向きな姿勢を示しながらも、インフレへの懸念から慎重な意見も多く見られた。連邦準備制度理事会(FRB)が8日に公表した。

議事要旨は「年内の追加緩和が適切になる可能性が高いと、大部分の参加者が判断した」と記述。一方で、「インフレ見通しに対する上振れリスクを重視する参加者が過半数を占めた」と記された。

9月会合では賛成11、反対1で、政策金利を0.25ポイント引き下げて4-4.25%にすることを決定した。今年初めての利下げだった。唯一反対票を投じたのは、新たに就任したマイランFRB理事で、0.5ポイントの大幅な利下げを主張した。

Mike McKee 記者がFOMC議事要旨についてリポート

会合後に公表された新たな金利予測(中央値ベース)によると、年内は0.25ポイントの追加利下げがあと2回見込まれている。ただ、意見には隔たりがあった。19人の参加者のうち7人は、年内はこれ以上の利下げはないと予測していた。

議事要旨では、一部の当局者が今回の利下げへの支持に慎重な姿勢を示していたことも明らかになった。「数人の参加者は、今回の会合でフェデラルファンド(FF)金利を据え置くことにメリットがあると指摘した。あるいは、そのような決定に賛成していた可能性があると述べた」と記されている。

政策当局者は労働市場へのリスクが高まっていることを認識しつつも、雇用が急減する可能性は低いと多くが感じていた。議事要旨では「参加者は全般に、労働市場の状況を示す最近の指標に急激な悪化は見られなかったと判断した」としている。

雇用懸念

9月の会合以降、ジェファーソン、ボウマン両副議長を含むFRB理事は、労働市場の強さに対する懸念を理由に利下げの必要性を訴えている。マイラン理事も、想定より低い中立金利を根拠に迅速な利下げの必要性を訴えている。トランプ大統領や複数の政権関係者も、最近の経済指標を根拠に即時の利下げを求める圧力を強めている。

FF金利の先物契約は、10月と12月に利下げが実施される可能性が高いと市場が見込んでいることを示している。

FRB当局者らは今後の対応を検討するにあたって、インフレと雇用の双方に対するリスクを慎重に見極める姿勢を引き続き強調している。議事要旨では、「参加者は、雇用とインフレの両目標を達成する上で、バランスの取れたアプローチの重要性を強調した」と記された。

原題:Fed Minutes Show Caution Over Rate Cuts Amid Inflation Worries(抜粋)

(最終3段落を追加し、更新します)

--取材協力:Alex Harris.

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