(ブルームバーグ):米資産運用大手ブラックロックは、経営破綻した自動車部品メーカー、ファースト・ブランズ・グループ関連の売掛債権に多額のエクスポージャーを持つジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ傘下の資産運用会社に投資しており、資金の一部償還を求めている。
事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、ブラックロックやテキサス州財務保全信託公社(TTSTC)などの投資家は、ジャフリーズ傘下のポイント・ボニータ・キャピタルに投資した資金の一部償還をめぐり協議を行っているという。
ポイント・ボニータは、ジェフリーズ傘下のルーカディア・アセット・マネジメントの一部門で、30億ドル(約4580億円)規模のトレードファイナンスのポートフォリオを運用している。関係者は公に発言する権限がないとして匿名を条件に語った。
関係者によると、ポイント・ボニータのポートフォリオには2019年以降、ファースト・ブランズに関連する売掛債権が含まれていたという。同社の財務状況が悪化したことを受け、9月に一部償還の要請が行われた。ファースト・ブランズは9月29日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。
各投資家がポイント・ボニータにどの程度の資金を投じていたかは、これまでのところ明らかになっていない。ジェフリーズ、ブラックロック、TTSTCの担当者はいずれもコメントを控えた。
ジャフリーズは8日、ポイント・ボニータがウォルマートやオートゾーンなどファースト・ブランズの顧客企業によって支払われるべき売掛債権に約7億1500万ドルを投資していたことを明らかにした。
ポイント・ボニータはこれらのファースト・ブランズ顧客企業の信用リスクにさらされていることになるが、この支払いはファースト・ブランズが管理してポイント・ボニータに振り向けられることになっていた。ファースト・ブランズは9月15日にポイント・ボニータへの支払いを停止した。
ジェフリーズの発表によれば、ルーカディアのポイント・ボニータ持ち分は5.9%。これは、債務絡みの損失があればその大部分はポイント・ボニータの第三者の投資家の負担になることを意味する。
原題:BlackRock Seeks Cash From Jefferies Fund Exposed to First Brands(抜粋)
--取材協力:Silla Brush.
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