(ブルームバーグ):ゴールドマン・サックス・グループのストラテジスト、ピーター・オッペンハイマー氏は、米国のハイテク株が急騰しているものの、現時点でバブルを懸念するのは時期尚早との見方を示した。
オッペンハイマー氏によると、テック大手の株価が記録的な上昇を続けている背景には、堅調な利益成長がある。過去のバブルでは、市場の上昇は主に投機によって支えられていた。同氏のチームはリポートで「テクノロジー部門のバリュエーションはやや過熱気味だが、歴史的なバブルと一致する水準にはまだ達していない」と記した。
ただし、オッペンハイマー氏は、米国株の一部銘柄に偏った上昇や、人工知能(AI)分野での競争激化に伴うリスクを避けるため、投資家に分散投資を改めて推奨した。
エヌビディア、ブロードコム、マイクロソフトなど一握りのハイテク大手が、AIによる持続的な利益成長や生産性向上への期待を背景に、米国株式相場を史上最高値に押し上げている。
ゴールドマン・サックスやバークレイズなどの銀行が公表した最近のポジション指標によると、投資家は株価上昇の見通しに強気な姿勢を維持している。一方で、AI関連への巨額投資の見返りについて、慎重な見方を示す市場関係者もいる。
テック関連銘柄の比重が大きいナスダック100指数は、オラクルのクラウド事業の利益率が多くの予想を下回ると伝えられたことを受け、7日は下落した。一方、ブルームバーグがまとめたデータによると、ニュース記事中の「テクノロジー」や「バブル」という語の出現回数が、この数週間で急増している。
株式と信用市場全体でバリュエーションが上昇していることから、オッペンハイマー氏は「これはテック分野におけるバブルというより、低金利、高い世界的貯蓄率、長期化する景気循環といった全体的な環境に起因するものだ」との見方を示した。
また、「こうした状況は、成長への信頼が揺らげば調整局面に脆弱であることを意味するが、テック分野のバブル崩壊だけが原因となる可能性は低い」とも指摘した。
原題:Goldman’s Oppenheimer Dismisses Bubble Fears in US Tech Stocks(抜粋)
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