(ブルームバーグ):半導体フォトマスクを製造・販売するテクセンドフォトマスクの新規株式公開(IPO)で、投資家への販売価格が仮条件上限の1株3000円に決まった。今年2番目の規模のIPOは投資家の需要を集めた。
8日の提出資料で判明した。仮条件は2900-3000円だった。公開価格を基にするとオーバーアロットメントによる売り出し分を含めて1566億円のIPO規模で、JX金属(2月発表で3月上場)に次ぐ大きさになる。売り出し株数は当初予定から増えた。16日に東証プライム市場に上場する。
高市早苗氏が自民党総裁選で予想外の勝利を収め、株式相場は上昇基調にある。この中でテクセンド公開価格が仮条件上限に決まったことは、後続するIPO企業への追い風となりそうだ。今年の日本市場はこれまでに約6490億円のIPOがあり、昨年合計の9610億円にはまだ距離がある。
テクセンドのIPOに関しては、全体の募集分の数倍の投資家需要が集まったと、事情に詳しい複数の関係者が明かしていた。資料によると、カタールの政府系ファンドが株式を購入する。
テクセンドはTOPPANホールディングスのフォトマスク事業が会社分割で設立されたトッパンフォトマスクを前身として、トッパンHDとインテグラルの合弁会社として22年4月から事業を開始した。IPO業務全体を管理するジョイント・グローバル・コーディネーターはSMBC日興証券、野村証券、モルガン・スタンレー、BofA証券。
テクセンドは市場環境の変化による価格変動リスクを軽減する承認前届出書(S-1)方式を採用した。この方式は上場承認前に有価証券届出書の提出が可能で、提出時点から上場承認までの期間で投資家需要を調査できる。承認日から上場日までの期間を短縮できるメリットがある。
(第2段落に売り出し株数が増えたことなどを追加して更新します)
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