エルトン・ジョン氏やポール・マッカートニー氏ら英国を代表する作詞作曲家が、同国の著作権使用料の分配制度の見直しを求めている。

作詞作曲家ら18人は先週、英著作権管理団体「PRSフォー・ミュージック」に宛てた書簡で、管理コストの金額に疑問を呈し、徴収した使用料のうちの多くが経費として差し引かれている理由について説明を求めた。PRSは作詞家・作曲家・音楽出版社などの会員の権利を代表し、楽曲がアリーナや飲食店などで公に演奏されるたびに使用料を徴収している。

ブルームバーグが確認したこの書簡では、「今回の要請は透明性、正確性、会員の利益の総合的な表現を巡る懸念の高まりがきっかけだ」と説明。将来の作詞作曲家のために明確かつ公正な算定方法を確立することが重要だとし、「彼らの生計がそれにかかる」と訴えた。

PRSによると、2024年に公の場での演奏に関する使用料として2億8700万ポンド(約587億円)を作詞作曲家の代理として徴収。そのうち4900万ポンドを「分配プロセス」として差し引いたという。作詞作曲家らは、より効率的な技術を導入すればコストを削減できるはずだと疑問を呈した。

PRSの広報担当者はブルームバーグの取材に対し、今回の書簡は「数十万に及ぶ事業者からデータを収集し、数百万の楽曲と照合して正確に使用料を支払うことの難しさを浮き彫りにしている」と声明で指摘。「作詞作曲家コミュニティーを支援するという共通の目的を達成するため、会員の代表らと協議を続け、実現可能な改善策を検討していく」と説明した。

作詞作曲家らは今回の書簡で、懸念に対処されなれば今後の会員離れを招く恐れがあると警告し、「PRSもそれは望まないはずだ」と付け加えた。

原題:Elton John, Paul McCartney Seek Review of Royalty Payment System(抜粋)

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