(ブルームバーグ):フランスでは今年のワイン生産量が、2024年の記録的低水準をさらに下回りそうだ。夏の猛暑がブドウの生育に影響し、山火事で農地に被害が広がった。
ブドウの収穫がほぼ終わったことを踏まえ、仏農業省は25年のワイン生産量を3600万ヘクトリットルと予想。9月時点で見込んでいた3740万ヘクトリットルから下方修正され、5年平均を16%下回る。仏南西部でここ70年で最大級の山火事が発生し、ブドウ畑やその他の農地に甚大な被害が及んだ。
同省は報告書で、「8月の熱波と干ばつが生産能力を低下させた。ブドウの成熟を早めると同時に果実が膨らむのを妨げた」ため、「果汁の少ない小さな果実が生まれ、9月後半の降雨でも持ち直すことはできなかった」と指摘した。
フランスは世界有数のワイン生産国。トランプ米大統領は今年、米国が輸入する欧州ワインに15%の関税を発動。その上、この厳しい天候が業界にさらなる打撃を与えている。
世界的なワイン供給過剰の中で、仏政府は農家に対しブドウの木を間引きするよう支援策も講じている。
原題:French Wine Output to Fall Below 2024 After Fires Ravage Vines(抜粋)
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